血を止めたいとき~ぎゅうぎゅう巻いたらダメ!~ | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪


こんにちは。

もものマークのクリニック院長 てしまですもも


ここのところ

ぜんぜん治療関連の記事を書いていないことに気づく夏(汗)



今日は久々に傷治療のネタです。



さて

指先を切ると、びっくりするくらい出血しますよね血

(いきなり血なまぐさい話ですみません


皆さんは、そんなときどうしていますか??


あるあるな誤解が


切ったところよりも心臓に近いところで縛り上げる!!


というもの。


以前

指先のほんのちょっとの切り傷で

二の腕をぎゅんぎゅんに巻き上げて受診した患者さんがいて

度胆を抜かれたことがありますが汗


そこまででなくとも

切った指の根元を輪ゴムなどでガンガン締め上げてくる方

たまに見かけます。


でも、これ、NGです。


指には動脈静脈が走っており

動脈が指先に血液を送り込む血管

静脈が心臓に血液を戻す血管です。


このうち、一般的に静脈の方が

皮膚(体の表面)に近い側を走っていて

かつ、脈管の形態も柔らかくできています。


なので、根元で絞めると

まず静脈ばかりがぎゅぎゅっとつぶれます。


一方、動脈は深いところを走っており

脈管も弾力があってつぶれにくい。


だから

中途半端に締め上げると

動脈はつぶれずに静脈のみふさがった状態になり


血液は指先に流れ込むのに出て行かなくなり

かえって出血が増えるのです。




じゃあ、動脈もしっかりつぶれるように

ガンガンに締め上げれば止まるんじゃね?



はい。それは事実です。


しかし

生きている組織に血が行かない、というのは非常に危険な状態。

時間が長くなれば、組織がダメージを受けてしまいます。

指の組織が部分的に死んでしまったり

神経の障害が起きたりするかもしれません。


じつは


最近受診した患者さんで

ぎゅうぎゅう絞める事の危険を教えてくれるような症状の方がいらっしゃいました。


続きは次回矢印血が行かないって怖いのよ~