縫合する?しない??① | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

湿潤治療と言えば…の夏井睦先生のホームページ

『新しい創傷治療』

3月9日に
こんな記事が取り上げられていました。

先日、駐韓米大使が切り付けられ、頬に長さ13センチに渡る傷を負った事件について、ホームページ読者からメールが届いたけれど、誤解があるよ、との内容。

読者のメールメール
「米韓国大使、かわいそうに 80針も縫われちゃったんですか?
夏井先生なら、傷が残らなかったのに。。。。。」


これに対する夏井先生のコメントを要約すると次の通り。

「この症例が自分の外来に来たら、形成外科医として迷わずに縫合する。
もちろん、このくらい長大な傷でもテーピングのみで治療することは可能である。
しかし、絆創膏が血液で剥がれたら、傷が開いて瘢痕を残す。
ならば、最初から縫合した方が良い。」


さらに、夏井先生の一口メモ矢印

<縫合するかしないかの判断>
・患者が局所麻酔に同意しない場合(例:小児),局所麻酔を拒否する場合(例:注射が嫌な大人)にはテーピングで治療
・患者が局所麻酔に同意した場合は縫合



これを読んだ時の私

そう!そうなのよ!!
夏井先生よく言った!

(←なんで上から 汗)


上記の夏井先生のサイトには

こんなページもあって

他にも小児の切り傷をテーピングで治療した写真がたくさん載っています。


その影響たるや絶大で

湿潤治療をかじった人の中には

切り傷はすべからく縫合しない方が綺麗に治る

間違った解釈をしている困ったちゃんも少なくないのです。

ホームページをよく読めば、夏井先生だって上に書いてあるような基準に基づいて縫合したりしなかったりしているのは明らかなんですけどね汗


他院で縫合された切り傷の跡を苦にして、うちのクリニックを受診した患者さんの中に

「別の病院で縫われてしまったせいで、こんなひどい傷跡になってしまって…湿潤治療で治していればこんなことには(涙)」

とおっしゃる方がたまにいらっしゃいますが

縫合=間違った治療

というその思い込み

それが間違っとるんじゃ

ということを易しく説明し理解して頂くのは

とーてーも

大変だったりします


中には、前医も形成外科で

私の目から見ても申し分のない縫い方に仕上がっているのになぁ

という場合もあり

一生懸命縫合したであろう医師の姿を思い
同じ形成外科医として切なくなることすらあります



色々な情報を得られるインターネット

その功罪両面を「湿潤治療」という狭い分野でも感じる昨今なのですうん




ただね、その縫い方はちょっとあんまりだよね
って場合もあるのは事実なので
その辺は次回コッソリと……
もも