手の擦り傷、感染したかも?な時 | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

先日紹介した顔の擦り傷@犬の散歩の患者さん。
ご覧のとおり、顔は極めて順調に治りました。
が、実は手の甲も一緒に怪我していらっしゃいましたあせる
以下傷の写真が続きます。

《初診時》受傷後3日
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けっこうハードに怪我していますね汗
擦り傷というよりは「挫創」と呼んでもいいレベルかも。
散歩中、引き綱に引っ張られて転倒した際、横の壁に強くぶつけたそうです。

拡大鏡では、砂利などによる明らかな汚染を認めませんでした。
汚れていたら、麻酔をかけてゴシゴシ洗いをしなければいけないので、良かったねと一安心。

この傷もやや乾燥気味だったので、顔と同様ハイドロコロイドで保護しました。

《治療開始2日目》受傷後4日
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ハイドロコロイド、かなり溶けています。
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取るとこんな感じ。
治療は引き続きハイドロコロイドで。

《治療開始3日目》受傷後5日
この日の写真は撮りそこねましたあせる
が、特に前日と比べての変化は無し。
ハイドロコロイドの交換を自宅でも継続することとして、翌週の受診となりました。

《治療開始6日目》受傷後8日
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これを見て、むむっ!? と思うかどうかが、湿潤治療をする医者としての腕の見せどころ、かな?

ひとつ前の写真と比べて、傷の周りが赤く、むくんだ感じになっています。

患者さんに伺うと、
「昨日くらいから少し痛みを感じるような…。ちょっとですが。」
とのこと。
この場合、傷に軽く感染症状を伴ったと判断すべきでしょう。

ハイドロコロイドよりも密閉度の低い保護剤(今回はプラスモイスト)に切り替え、抗生剤の内服も併用することにしました。

《治療開始9日目》受傷後11日
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前回心配した赤みやむくみが取れていますねチョキ傷の面積も縮んできましたアップ
患者さんも
「この前もそんなに痛いわけでは無かったんですが、処置が変わったら明らかに楽になりました。違うもんですね~。」
と、変化を自覚していらっしゃいました。

ふっふっふ。任せてちょんまげ。そこがプロとしての腕の見せどころですからにひひ

「傷を消毒せず、乾燥させずに治す」
というのが、湿潤治療の単純明快な基準ですが、 ちょうど良い湿潤環境を保ちつつ、感染のコントロールをするのは意外とコツが要ります。
このさじ加減は治療の経験を重ねるうちに身に付くものだと思います。

たまに
「キズパワーパッドみたいなものを貼って無いですよね…コレ本当に湿潤治療なんですか??むっ
と、疑いの眼差しを向けられることがありますが(苦笑)
大丈夫ですからパー

私を信じて、付き合って下さいな。
そこんとこヨロシクビックリマーク