そろそろ新海誠作品リレーも終わりかしら。
「雲の向こう、約束の場所」
目に見える景色や人物の姿は現代のなんら変わらないけど現実とは違う歴史を辿った少し未来の話、みたいな世界観大好き。
世界観もストーリーも結構好きだったんですけど主演二人のアフレコが…なんかぼやぼやしてていまいち集中できなかった…ちょっと残念。
謎が多い、というか明かされない事が多いんですよね。
なんだかすごくでかい国っぽい「ユニオン」は確かに存在はしているけどそのユニオン所属の人物は一切登場しない。
出て来るものと言えばそのユニオンが建てたでかい塔だけ。
視聴直後は、なんかぱっとしないな~と思っていたんだけど、今こうして感想書いているとなんかじわじわもう一回見たくなって来た。あとでもっかい見よう。
ヒロインが眠り続ける事で世界が滅びずに済んでいるけど、ヒロインが目覚めれば世界は終わってしまう。
でも主人公達はヒロインを目覚めさせたい!約束を果たしたい!と奮闘するわけです。
あ~いいですね~こういうの~世界の為にたった一人の少女が犠牲になるっていうやつ。
大好物ですよ。
どういう結末になったのかよう分からんかったので考察サイトを見たんですが、やっぱりというかでしょうねという感じで別離エンド。
ヒロインは夢の中で自覚した主人公への恋心の記憶を忘れてしまい、二人は別々の道を進む。
あ~~~~いいですね~~~~真実は夢の中~~~~~~
こういう「両想いになった瞬間その恋が終わってしまう」みたいな結末、大好き。
「ほしのこえ」
雑に説明すると規模がでけー遠距離恋愛の話。
宇宙戦争に出立したヒロインと、地上で彼女を待ち続ける主人公の甘く切ない恋物語。
ここで戦争の為に宇宙に行くのがおそらくは監督の“ヘキ”なんだろうなと思いました。
メールが届くまで何年単位だとか、すごい発想だなと思いました。
これも結末がよう分からなかったんで解説サイトを読んだんですが、どうやら再会出来たっぽいですね。
これはちょっと小説読んでみようかな。
「すずめの戸締まり」鑑賞から怒濤の勢いでの新海作品の摂取でした。
昨日なんて5本も見てましたよ。脳みそ使い過ぎたせいかめっちゃ寝ました。
どうしてこんなに新海監督いっき見したかっていうと、このクリエイターさんは何を信念として、何を芯として、モノを生み出しているのか?ということが知りたくなったからです。
「すずめの戸締まり」について、傷を抉られたと言えばそれはそう。
でもこの作品に傷付けられたとは思っていないんですよね。
刺を抜いて貰ったとは思ってないけど、そんな生やさしいもんじゃなかったなアレは。
抉られた、と言っても腐りかけた傷を抉り突かれて膿を出された感じ。
しんどかったのは本当だけど。
それは作品がしんどかったんじゃなくて色々思い出してしんどくなっただけで。
震災の描写自体はそんなに怖くはない。本物の方がずっと怖い。
東北のあの景色も、私は実際に実物を見ているので。
現実の景色の方が当然なら見ていて胸を締め付けられて苦しくて痛い。
フィクションで描かれた風景はどれだけ忠実でもやっぱり「フィクション」なので。
私が好きな言葉に「死を描くには徹底的に生を描く必要がある」というものがあるんですけど、同じように「希望を描くにはまず徹底的な絶望を描く必要がある」そして「明日を描く為には徹底的に過去を描く必要がある」のでしょう。
それと同時に「何かを得るには代償が必要」という世の厳しさというものを描いている。
「何でも」は手に入らない。
喪ったものの多くは取り戻せない。例えば時間。例えば人間の命。
けれど未来が繋がれば、また新しい何かを育む事ができる。
私は新海監督作品に、そういう強いメッセージ性を感じました。
出会いがあって、愛が生まれ育まれて、そして別離がある。
それは少し哀しくて切ないものではあるけど、決して不幸なものではないと思いたいです。
今まで名前は知っていても一切触れる機会が無かったんで(避けていたわけではなくて本当に気が向いてないだけだった)ようやく足突っ込めて良かったです。
なかなかハートフルな作品を描かれる御方でした。やっぱり自分の目で見ないと分からないものですね。
見た中で一番好きなのは「言の葉の庭」です。「秒速5センチメートル」も「星を追う子ども」も好き。
次回作も楽しみにしております。
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