新日本フィルハーモニー交響楽団 #10 ルビー〈アフタヌーンコンサート・シリーズ〉 | 音楽って素敵 ₍₍¶(ू⁄›˅̮‹ू∖)⁋₎₎ ♪♬

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クラシック音楽のコンサートなどなど拙い文章ですが、気侭に綴っています♪

ラフマニノフ
交響詩『死の島』op.29
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番変ロ短調op.23*
レーガー
ベックリンによる4つの音詩op.128
 
指揮:上岡敏之
ピアノ:カティア・ブニアシティヴィリ*
コンサートマスター:崔 文洙
 
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上岡さんがNJPの音楽監督に就任してから、その大半をみなとみらいで聴いてばかりで、NJPのホームグラウンドであるトリフォニーでNJPを聴くのは、かなり久しぶり(1年前のアヴデーエワ以来)。
昔は、良く通うコンサート会場と言えば、トリフォニーだったんですが(主に新クラシックの扉)…最近は、NJPも横浜公演があり、墨田区まで来なくてもNJPを聴けることから遠のいておりました(お近くのティアラこうとうは、そこそこ行ってるんですが…)。
久しぶりにトリフォニーに来ると故郷に帰って来たような安堵感があるのは、コンサート初心者の頃に前述した『新クラシックの扉』に通いコンサートの楽しみ方を学んだ場所だからかも(ホールに入るとトリフォニーで聴いたコンサートの思い出が走馬燈のように浮かんできます)♪
それに錦糸町の駅を降り、ホールへ向かうと『実家に帰った〜』みたいな感覚になるから不思議です。
そんな訳で、音響云々ではなく、大好きホールを一つ挙げろと言われれば迷うことなく色んな思い出の詰まったトリフォニーになるんだろうなぁ。
 
さて、その久しぶりのトリフォニーで聴くコンサートは、この会場で初となる上岡&NJP。
そして、今回の目玉(お楽しみでもある)フェロモン系ピアニスト、カティア・ブニアシティヴィリのチャイコン♪
チケット購入時から楽しみにしていたコンサート(新国立劇場バレエのくるみ割り人形に次、今年後半の楽しみ)♪
席もルビーならS席でもお得なので、トリフォニーのバルコニー!!
トリフォニーのバルコニーは、1人がけで周りを気にしないで音楽に集中出来るのと、見切りがそんなにないのがお気に入り!!
 
前半一曲目は、ラフマニノフの『死の島』
ベックリンの絵画『死の島』に触発され、ラフマニノフの書いた交響詩♪
ラフマニノフが他の作品でも好んで使用したグレゴリオ聖歌の怒りの日の引用などもあり、作品全体を陰鬱な響きが覆い、聴いているとこちらまで、陰陰滅滅な気分になる重い曲。
ラフマニノフの輝かしいピアノ協奏曲が光なら、死の島は、ラフマニノフの闇の部分が現れてるような…そんなイメージすら抱く作品。
ラフマニノフらしいメランコリックな旋律もないので、親しみ易い作品とは言えないけど、上岡さんとNJPは、耽美的なまでにこの曲の美しさを表現していたと思います。
霧の中に浮かび上がる死の島って感じかしら。
途中表れるさんのヴァイオリンソロも美しく、情感溢れる演奏でした♪
 
今回目玉のブニアシティヴィリのチャイコン♪
彼女が出演するからなのか、NJPでは珍しく8割から9割くらい入っていたような(そもそも廉価なルビーはいつもこれくらいなのかしら??)。
大入り満員で臨むブニアシティヴィリのチャイコン♪
CDや放送音源(映像)では、彼女の演奏は何度となく聴いてきたけど、実演ははじめて。
かなり個性派なブニアシティヴィリ。
名曲中の名曲、チャイコンをどう演奏するのか!!
しかも伴奏は、こちらも個性派上岡敏之!!
このふたりが上手く噛み合うのか!!
比較的予定調和的な演奏を想像しやすいチャイコンなので、聴く前から色んな想像を掻き立てるのも今回の醍醐味!!
やはり演奏は、個性的!!
力強いとこはこれでもかみたいにピアノを叩きつけ、叙情感溢れる箇所は、柔らかく繊細なタッチで夢心地のようなタッチ…しかも独特の語り口。
アシュケナージやポリーニなど楽譜に書いてあるとおり教科書的な演奏とは、まったく対局なピアノ。
緩急の落差。
縦横無尽に駆け巡るピアノ。
変芸自在な音色などなど。
面白いといったらこれ程面白い演奏はないかも。
フェロモン系ピアニスト…カティアだけのことはありトリフォニーに彼女のフェロモンが飛び交ってました!!
ただ個人的には、早いパッセージや強音(狂音??)にはあまり感心せず、どちらかと言えば情感あふれる第一楽章中間部や第二楽章に彼女の美感が現れていたように思えました♪
フィナーレの疾走感は、凄かった!!カティア嬢オケは煽るし、その熱狂度たるや凄い、凄い!!コーダのピアノとオケの息も詰まるような掛け合いにも唖然…そして熱狂的な歓声…ただもくさん的には何故かそこまで気持ちがのめり込めず、1年前に聴いたアヴデーエワ(伴奏は同じNJP)…参考)アヴデーエワのチャイコンのブログです…の方が感銘度は高かったような気がします♪
あの会場の盛り上がりから素晴らしい演奏は確かだったと思います。
ただ、今日は心のアンテナの感度が著しく低く、まったく音が染みて来ないし、集中できず、周りの雑音(一番楽しみだった第二楽章であちらこちらから終始聞こえる咳の呼応)や前の方の仕草など、そちらばかりに気を取られ、もし心のアンテナの感度が高ければアヴデーエワ超えの可能性もあり。
主役は、ブニアシティヴィリなのでそちら中心の感想になりましたが、上岡NJPも出だしの有名なホルン(首席は客演の有馬さん…前回の横浜公演も有馬さんだった)のファンファーレも脱力系の柔らかく『ふあん』って感じでユニーク。
堂々としたかと思えば、カティアと丁々発止を繰り広げたりとブレーキとアクセルを頻繁に使い分け、こちらもカティアと双璧ぐらいに個性的。
名曲をここまで面白く表現できるのは上岡さんならではだと思う。
熱狂的な拍手に応えアンコール。
しかもブニアシティヴィリかなりご機嫌モードだったらしく、2曲もアンコール!!
ドビュッシーの月の光とシューベルトのセレナーデ(リスト編)♪
こちらは、ブニアシティヴィリの美感が隅々まで発揮され、メインのチャイコンより良かったです♪
 
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後半は、レーガーの『ベックリンによる4つの音詩』♪
こちらも前半一曲目のラフマニノフと同じくベックリンの絵画に触発されて書かれた曲。
第3曲がラフマニノフと同じ『死の島』からインスピレーションを受けた曲。
こうしたプログラムの妙は、上岡さんならでは。
ちゃんとプログラムに一貫性を持たせ拘りを感じます。
こちらの曲も実演では取り上げられる機会が少ない作品(スダーン東響が同じ時期に取り上げたのは、偶然かしら??)。
しかもレーガー。
地味(笑)
ラフマニノフの作品と同じく調性はあるけど、そこまで親しみやすくはない。
後期ロマン派らしい濃厚な音色に漂うようなそんな感じの曲。
上岡さんが得意とするジャンルだけに、聴き応えはあったけど、曲の魅力からか感銘度はそこまでない。
でも滅多に実演では聴けない曲を聴けて満足。
ここでもさんの染みるようなヴァイオリンソロはお見事!!
終曲バッカナールもほど良く爆発してました♪
 
やはりアンコールはあるのね(笑)
ブニアシティヴィリがまさかの2曲アンコールで、後半レーガーの作品が25分程度でもこの時点で4時越え!!
普通ならお開きなんだろうけど、
サービス精神旺盛な上岡NJP、定番アンコールは公約どうり(そんな公約はしてませんw)必ずしますって感じ(笑)
しかもワーグナーからジークフリートの埋葬行進曲♪
アンコールにしては、長め。
葬送行進曲ってことは、メインプログラムとの『死』繋がりかしら(๑• . •๑)?
しかし、これが一番良かったかも(笑)
堂々とした演奏でスッーと心に染みました。
 
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今回は、メインでなく共にアンコールが一番良かったかも(笑)
何か本末転倒な( ̄▽ ̄;)
もちろん何度と書いてるとおり、心のアンテナの感度が低かったので、客観的に周りの反応を見るとメイン共々素晴らしかったと思います♪
 
2017.11.11(SAT)
(ポッキー&プリッツの日)
14:00
すみだトリフォニーホール
 
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【悲報】
NJPのロビーコンサートがあったことに後から気づきかなり残念。
余裕で間に合ったのに、色んなとこに寄り道して聴きそびれてしまった(´△`)↓
次回からリサーチはしっかりしないと痛恨のミスでした。