スキー仲間のsaseから年明け(暮れだったかな?)にメールが来た。
なんでもステルステックとか言うものを買ったという。
まだ試していないのでインプレッションはこれからという内容だった。
ステルステック・・・???
ネットでしらべて見た。
http://www.firststep-chitose.com/?page_id=5546
写真を見る限りちっこくて薄っぺらなプラスティックの部品だ。僅かにとんがり形状になっていて、スキーブーツの底敷きにつけると脚の内傾角を取りやすくなるという。。。
ステルス戦闘機に似ていなくも無いので、テクノロジーのテックと組み合わせて製品名にしたのだろう。
解説を読んでいるとスキー雑誌で取り上げられたとか言う話も書いてあったし、競技系スキーショップでも扱いを始めたようだ。。。
・・・・・しかし・・・・・
うっさんくせぇ~(爆)
オイラはこの手のものはあまり信用しないタチである。
ネットを調べると効果有りというインプレッションがいくつかあるがそれとて思い込み、思い入れの範囲を出て居ないというのが読んだ感想だ。
スキーブーツのつま先側を少し上げてやるとターン始動時にトップを噛ませやすくなることはある。これはオイラも試したことがあるので実感としてわかる。
しかしこれを取り付けることで底敷きがカタカタ左右に動くから内傾角を作り出しやすくなると言うのはかなり怪しい。。。
・・・とはいえ、それほど高いものでも無いため、試しに買ってみた。(爆)
しかし、オイラのノルディカドーベルマンワールドカップは底敷きがブーツの靴底からねじ止めされているタイプなのでそのままではつけても効果は期待できない。
固定ねじを外してしまうか、あるいはかかと側だけの固定にすれば少しは動くかもしれないがやはり胡散臭さがぬぐいきれず、現状は保留してある。(苦笑)
オイラが教わっているコーチたちが口をそろえて言うことは
スキーをフラットに踏む
である。
僅かとは言え足裏で意図的に角度をつけると言うことはすなわちスキーと脛の直角をあえて崩すということだ。しかも雪面に対して同じ脛の内傾角だとするとスキーの雪面に対する角度は鈍化する方向だ。わざわざエッジの捕らえを甘くする方向と言うことだ。
開発した人たちには申し訳ないが、オイラ的にはどう考えても理にかなっているとは思えない。
効果があるというレポートも素人くさいし、実験結果というものが羅列してあるだけでそれに対する考察が足りない。何よりも論理性に欠けているように思う。
仮にレポートをそのまま信用したとする。
脛の内傾角を増す場合の角速度が速くなったとしよう。その場合にはスキーの滑走面の角度はステルステックのルーズ角の分だけあとから遅れて傾くことになる。
この一瞬の動きの遅れは普通に考えればトップのとらえが遅くなることに直結するとしか思えない。
百歩譲ったとして脛を内傾させやすいから、僅かな遅れを取り戻して結果的にターンに必要が角度まで到達するまでの時間が速くなると言われれば、それはまあそういうことも無いとは言い切れない。
ただし、滑走面と雪面の角度、すなわち角付けを同じだけ取るためには遊び角の分だけ脛は余分に傾く必要があり、さらに言うならば、膝がスキーの真上から内側に外れることを意味する。
フィーリングの上では僅かな角度の違いであってもより深く脛を内傾させるのは意外に難しいのはある程度以上滑れる人ならわかると思う。そうなるとより甘い角付けでターンすることになりそうだ。
そして膝がスキーの真上から外れると言うことは上体も含めた骨格でスキーを真上から加重できなくなることを意味している。
ベースエッジのビベリング角度を大きくするのと似ているようでやはり違うと思う。
ちなみにオイラは以前、スキーを降り出すというかターンの始動時に身体からスキーを離すためにベースエッジを少し落とした。
通常は0.5度の事が多いと思うが、オイラは1度にしている。0.5度だとスキーが引っかかって上手く回せなかったのだ。
あくまでもずいぶん前の話である。当時よりはきちんと動けるようになってきているので今乗り比べたら答えが違うかもしれない。
もっとも慣れ親しんだセッティングと言うことで今でも1度のままだが。(爆)
まあ、そんなこんなでおもしろがって買ってはみたものの理屈を考えれば考えるほどメリットがあるとは思えないのだ。
オイラのブーツは前述のようにビスを取り去れなければ試すことすら出来ないが、底敷きの固定を無くした時点で差異が生じそうな事も有り、とりあえず試す予定は無い。
saseをはじめ、世間の評価が抜群に良ければそのときはつかってみるかもしれないが、今はとてもでは無いが試す気にはなれない。
そんなことよりも目指す動きを少しでも出来るようになるための練習の方が優先である。
それまでは机の上でホコリを被っていることになりそうだ。(苦笑)