2015MotoGPチャンピオンシップ | 木馬の四方山ばなし

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今年はシーズン序盤からヴァレンティーノ・ロッシが好調でそれをチームメイト(本人たちがその言葉通りに友好的な関係かどうかははなはだ疑問だが)ホルヘ・ロレンツォが追う展開となっている。

シーズン終盤に来て既にマルク・マルケスはチャンピオン争いからは脱落しているし、ダニ・ペドロサも前半戦を「腕あがり」のために失っているため可能性はない。

とは言え、レースそのものは4強の誰が勝ってもおかしくないし、ドカティに乗るイアンノーネの成長も著しい。

そんな中、マレーシアGPでロッシとマルケスのあいだに起きたアクシデントは非常に残念だと思う。
テレビではいろんな確度からの映像が繰り返し流れたが、オイラには(マルクが言うように)「ロッシがマルクのハンドル周りを蹴った」かどうかは見て取れなかった。ただ間違いないのはロッシが加速するべきポイントで意図的に速度を落とし、外側にマルクが並ぶのを目視確認しながら外へ押しだそうとしたことだ。

ロッシがあそこまで失速気味になれば外側から被せに行くのは当然だし、肘や頭、からだが接触するのは消して珍しいことではない。だから、マルクにあそこは引くべきだったというのは転倒という結論から遡って考えた場合にのみ言えることで有り、レース中のライダーにとっては当たり前のリアクションだったと思う。
それに対してロッシの行為はやはり頂けない。膝が動いているのはビデオで確認できるが、膝下が動いたかどうかはわからないため、故意かどうかを議論する以前にロッシがハンドルを蹴ったという主張が正しいかどうかすら、オイラは判断不可能だ。
しかしあそこまであからさまに速度を落として、相手を見ながら押しだそうとしたことはどう考えてもモータースポーツとしての根本的なルールを逸脱していると思う。

4輪のレースなどでは意図的にブレーキングポイントを早めにして、後ろに付いているライバルのリズムを崩すことなどは日常茶飯事だという。しかし、自らが追突されるほどの危険を冒すことはない。
ぎりぎりまで競り合っている中で意図的にワイドラインを通り、相手の行き場所を無くして失速させるのは2輪でも当たり前だと思う。だが、意図的に速度を落とし、相手をにらみつけるようにしながら押しだそうとした時点でロッシはアウトだろう。
だが、レースディレクションの裁定は予想通り、ロッシに甘いものだったというのが様々なメディアの言い分だ。
しかしオイラはむしろ厳しい裁定だったと思って居る。別にロッシの肩を持っているからでは無い。現在のMotoGPのかなりの部分はロッシというスーパースターの人気に追うところが大きいため、最終戦までチャンピオンシップ争いの可能性を残すためには結局、厳重注意くらいで終わってしまうと予想していたからだ。
限りなく真っ黒に近いグレーな行為だが、MotoGPという興業を成功させるためにはこれまたグレーな判定が下ると思って居たのだ。
まあ、ポイントの剥奪はせず、次戦(最終戦)でのスターティンググリッド降格という選択はある意味、オイラの予想を裏付けるものかも知れないが。

いずれにしても検証のしようはないと思うが、もしもロッシが故意にマルクのハンドルを蹴ったのだとしたら未来永劫彼の出場資格を剥奪すべきレベルだと思うし、蹴ってはいないまでも本人が認めているように故意に速度を緩めて相手をにらみつけながらコース外に押しだそうとしたことも相当に悪質な行為に違いないと思う。その行為は少なくとも今回のポイントは無効とするに値するとは思うが、きっとそうはならないと予想していたのは上述の通りだ。

オイラはロッシはけっこう好きだ。かつての悪童だった頃、勝つか転ぶかというGP125cc時代。
そして悪童ぶりに磨きがかかっていたGP250cc時代。
速い選手は何をしても良いわけではないが今まではあくまでもレーシングアクシデントの枠をはみ出すことはなかった。(少なくともそういう裁定が下され、周囲もそれなりに納得はしていた。)

500ccクラスに移り、当たり前のように勝ちまくった頃からのロッシしか知らないファンにとってはショッキングな出来事だったことだろう。だが、あれもロッシなのだとオイラは納得している。
但し、心情としては理解できるものの36才にもなる現役レジェンドライダーとしてはあまりにも軽率な行動だったと言わざるを得ないだろう。

今回のマレーシアGPもロレンツォよりはロッシを応援していただけに残念だ。
最終戦で、もしもロッシがタイトルを獲得したとしても素直に祝福する気になれないのが正直な気分だ。ロレンツォはかつての生意気な悪童ぶりがあまり好きでは無かったのでロッシ推しだったのだが、こうなると心情的にもロレンツォ推しになりかけている自分が居る。(苦笑)

まあ、いずれにしてもレースディレクションの裁定は覆ることはないだろうから最終戦ではクリーンなバトルが見られることを期待するだけだ。
一部の報道ではロッシが最終戦に出ないかも知れないと言っているがもしそうなってしまうと非常に残念だ。レースそのものがつまらなくなるし、何よりもロッシ自身が詭弁を弄して自己弁護をしていたことを認めたことにつながるからだ。ま、単なるブラフだと思うが。(爆)

スーパースターは限りなく黒に近いグレーであっても黒じゃ無きゃ、白と同じなのさとうそぶくくらいの強気で傲慢な態度も魅力なのだから。
かつてのマラドーナの「神の手」がそうだったように。。。

※余談
ここ数年はだいぶ大人しくなったけど、オイラはロッシは好きだけど、ロッシファンはうるさいから大嫌いなのだ・・・・・(-。-) ボソッ