ウザイな- ⇒「盗撮」論争 | 木馬の四方山ばなし

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最近、SNS上で出口の無い論戦?が繰り広げられている。 

沈静化したかと思っていたがまたぶり返している。 
前回は意見しようかとも思ったが、片方は昔からの友人、もうひとりは一度あったことはあるがSNSで直接つながっているわけでも無く、話をしたことも無い。その方がオイラのことを認識しているかどうかも不明である。 だから、ニュートラルな立ち位置からの発言と受け取ってもらえない可能性があるので、SNS上の議論に第3者が介入するのは混乱を招くだけと判断し、やめておいた。 

この手の話はネット上でいくら議論してもとうてい決着はつかず、いつまでたっても平行線をたどるのはその昔のニフティ通信時代から体験してきたことだ。 だから、双方がどうしても納得いかないのならば直接会って話をすればいい。
ネット上で、「仲間」を募って自分の主張をマジョリティに仕立て上げようとするのは、ただの陣取り合戦であってなんの解決にもならないのだ。 

だが、その不毛な議論がいまだに散発的ではあるが繰り返されているので、少しだけ書くことにした。 

事の発端は電車内でだらしなく座っている女性の写真を友人がSNSに掲載したことに始まる。 
当然、顔は映っていないので他人には個人を特定することは出来ない。 だが、スカートがめくり上がり、半ケツが見えている画像である。見る限りは別に酔いつぶれているわけでも無いようなので単にだらしなく座っているだけという印象だった。 

そして、下に書くが、オイラ的には論点と言うべきものがきちんと整理共有されて居らず、そもそもの論点がかみ合わないから議論が迷走していたと理解している。 


その不毛な議論の論点をオイラなりに整理すると3つあったと考えている。 


その1 :画像そのものの評価 
すなわち、これがただのエロ写真なのか芸術なのか、はたまた日常の光景を写し取っただけのスナップ写真なのか。 

その2 :本人に許可無く撮影したことに対する倫理的判断と肖像権の問題 
上記のように、だらしない(見ようによってはエロイ)画像なのもあり、これを「盗撮」であると指摘する声があった。 

その3 :本人に許可無くSNS上に掲載したことに対する倫理的判断と肖像権の問題 
これまた、首から上は映っていないにもかかわらず、倫理的観点から、あるいは法的な肖像権の問題から「盗撮」写真を掲載していると指摘する声があった。 

問題その1に関しては、すでにSNS運営事務局が問題画像にはあたらずと言うことで決着がついている。 

やっかいなのは問題その2およびその3について。 

純粋に肖像権に関する論争であれば比較的答えははっきりしていると思う。法的な問題であり、判例に照らしてみればいいだけのことだからだ。 
そこに倫理的、あるいは感情論的な視点で意見を持ち込む方が居るので議論がかみ合わなくなり、すれ違いが延々と続いているのである。
さらには肖像権の問題と盗撮という言葉で表現される撮影行為そのものの是非が法的な観点と感情論、倫理観からの観点でごちゃごちゃになっているから混乱していたのだと思っている。

まず、オイラの意見をはっきりさせて置こう。 

問題その1については女性の陰部がうつっているわけでもあるまいし、これが問題画像というならば、グラビア写真なんて即死刑レベルだと思っている。すなわち問題として議論する以前のレベル。これはSNS事務局の判断を全面的に支持する。 まったく問題なし。

問題その2とその3についてはちょっとややこしい。 
まずは「盗撮」にあたるかどうかと言う点。 通常の視点に於いて見えるもの(見えてしまうもの)であり、意図的に覗いたわけでも、あり得ないローアングルから撮ったわけでもないので、「スナップ」の範疇だと考えている。 
次に肖像権について。 肖像権というのは誰もが持っているとは思うが、それを行使して利益を得られる場合に於いて厳密に適用されるべきものだと思っている。(これは私見なので法的な解釈でどうなるかは専門家の判断を仰ぐしかないのだが。) 
つまり、世間的にだれもが認める明確な肖像権の価値を持たない一般人の場合、写真を撮られることで著しく不利益を被る(被った)とか、撮った人がその写真で勝手に金銭を得ると言ったことがあるとしたら、それは肖像権の侵害に当たると思う。だがそうでない場合には肖像権を主張するには弱いと考える。 

撮影の是非については正直迷うところだ。限りなくグレーだとは思うが、YES/NOの二値で答えるならば肖像権の侵害にはあたらず、というのがオイラの意見だ。 

公開の仕方についてもそうだ。 あくまでも首から下しかうつっていない画像では不特定多数の人は被写体を特定することは到底不可能である。 従って、この場合も肖像権を侵害しているとは思えない。
 
もちろん、もし本人がこの画像を見たら恥ずかしいと思い、怒りの感情を持つかも知れない。それは感情としてはわかるが、赤の他人が是非を議論することではないし、議論するならばあくまでも法的な見地からの議論が必要だというのがオイラのスタンス。
本人もしくは本人から委託を受けた第三者が異議を申し立てるならともかく、見も知らぬ他人がこれはけしからんというのは筋違い。よって上述のように公開したことも肖像権の侵害には当たらない。 

最近、芸能人が勝手に写真を撮られることに腹を立てて「盗撮」だとツイッターなどで騒ぐことが多いが、そうしたことが勘違いを助長しているように思う。
オイラの解釈では「肖像権の侵害」という意味ではまさにその通りなのでイケない行為だと思う。彼ら(彼女ら)はその肖像権がずばり収入を得る手段なのだから。 だが、「盗撮」という表現は適切では無いと思う。 目の前にある光景を撮ることが「盗撮」だとはとうてい言えない。 
問題視すべきはあくまでも「肖像権の侵害に当たるかどうか」と言うことだ。 
芸能人の場合、写真を撮られることに腹を立てている人もいるようだが、多くの場合はその写真をSNS上で無断公開されることに怒っているようだ。つまり「公開」することによる「肖像権の侵害」とそれに伴う「プライバシーの侵害」が問題視されるべきなのを、言葉足らずな表現で「盗撮」と言ってしまうからややこしくなるのだ。 

話を元に戻すが、そんなわけで撮られた人の心情を慮ってかわいそうだというのは勝手だが、第3者が代弁しているつもりになって主張するのならばあくまでも法的解釈を前提にした上で「肖像権」を論点に据えて欲しいと思う。 盗撮という言葉は少なくとも今回の論争の論点を象徴する言葉としては明らかに不適切だというのがオイラの考えだ。 

おそらく、オイラの意見に対してもいろいろ言いたい人もいるとは思うが、オイラはネット上で議論する気はさらさら無いので、コメントをつけてくるのはかまわないがウザイ内容なら即削除するし、議論に呼応することも無いことはあらかじめ断っておく。