ウルトラセブンの話では無い。
セブン&アイHDの話だ。
6月16日号の日経ビジネスに
「セブン、鉄の支配力」
という特集があった。
内容的にはセブンイレブンジャパンの教祖さまであり、セブン&アイHDの会長である鈴木氏の成功経験から来る哲学のもと、グループ化された各事業のすべてがセブン化されつつあると言う話だ。
堤帝国だったはずの旧西武系企業も含まれている。
鈴木氏の決断力や経営力は疑う余地は無いのだが、今回の特集記事を読んでいるうちにだんだん嫌な気持ちになってきた。自分でもよくわからないが不愉快な気持ちがどうしても抑えられなくなってきた。
なぜ・・・・????
鈴木氏への賛美にあふれた文章が鼻についたから?
大いなる成功者である鈴木氏へのひがみ???
(記事にあるとおりだとすれば)グループ企業に対する強制力の強さがすべて鈴木会長から発信されているものだから???
ちゃっかり自分のせがれを関連企業のトップに据えているから???
自分自身に問いかけてみるが、いまひとつはっきりしない。
おそらく、すべて YES なのだろう。
記事の主旨によると、秀でた経営者がその支配力、影響力を行使してグループ企業の「セブン化」を進めていると言うが、そこには多様性が感じられず、時の支配者がすべてを決定する権限を有しているという内容に嫌悪感を抱いたというのが正しいかも知れない。
鈴木氏の決断はビジネスとしては正しいのかも知れない。
デモね、なんかやなんだよね。。こう言うの。
文章を読む限り、ワンマン経営者、いやもっと端的に言えば独裁者にしか見えないからだと思う。
小さな単位でやっている分には独裁者がトップでもいいと思うし、挑戦者であるうちはなおさらだ。
だが、巨人となり抗うものが誰も居ない今なお独裁者として君臨し続けることに嫌悪感を感じているのだろうと思う。
おそらく、その気持ちの9割以上は持てるものへのひがみ、ねたみであることは承知している。
そして孤独な独裁者が、自分が退いたあとのことを憂えてさらなる鉄の支配を敷こうとするのは古今東西おなじである。
カリスマ経営者亡き後の企業は没するのが世の常であることを嫌というほどわかっているからこそ強烈なまでの指導力を発揮してレールを敷こうとしているのだろう。
まるで戦国武将が天下統一を果たしたあとで一族のために後の世のことを考えて、様々な施政を敷くのとまさに同じである。
鈴木氏は良かれと思い、グループ企業の方向性を決めようとしているようだが、時代はどんどん変わっていくものだ。あまりがんじがらめのレールを敷いてしまうと、いまの常識が通用するうちは楽だろうが、ひとたびそれが覆ると、そのときの船頭さんは船の向きを変えるのは容易ではないはずだ。船が大きければ大きいほど変えようとするのにエネルギーが必要だし、実際に変え始めても向きが変わり始めるまでにはかなりの時間がかかる。
民営化なんて名ばかりで実質的な官営から未だに脱し切れていない日本ポストなんて最たるものだ。
話が横にそれた。
すでに高齢の鈴木氏。あとのことを考えていろいろ手を打つ気持ちはわかるが、せめて敷いておくレールは1本では無く、いくつかの分岐を用意しておかないと先行きエラいことになるのでは無いだろうか・・・
なんて、オイラなんかにいわれたかぁないだろうが。(爆)
ちなみに鈴木つながりでいうと、スズキ自動車の鈴木会長もワンマン経営であそこまで会社を育てた人だ。
セブンもそうだが、いや、セブン以上にスズキ自動車も次の手をどうするつもりなのか、興味津々である。