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木馬の四方山ばなし

趣味の話や日々の出来事を中心に何となく、自己満足のためにつづっていくブログです。

3年ほど前のこと。
カメラをいじり初めてから既に数年がたっていた。


その頃は馬場信幸氏の指導の下、ポートレイト撮影を熱心にしていた頃だ。


しかし、ある時ふと思った。

せっかく、良いカメラを買ったのだ。

大好きなバイクの写真を撮りたいと・・・・



レースの写真だ。



そう考えた時に、真っ先に頭に浮かんだイメージはこんな感じだ。





今回の8耐を制したブリヂストンに敬意を表して喜多嶋隆の小説・「CFギャングシリーズ」の文中にでてくるCFの絵コンテイメージ風に書いてみよう。




サーキット
ロードレースのコース
爆音を轟かせ、猛スピードで走るオートバイ
レーシングマシンだ。
クリッピングポイントでフルバンク
ヒザをゼブラゾーンの内側にこすっている。
ヒジがもう少しで路面に届きそうなくらい傾いている。
太陽が薄いスモークシールドを通して、ライダーのまなざしを浮かび上がらせる。
ライダーの視線はコーナー出口に集中。
アクセルオン。
ロケットのように加速していく
走り去るマシンのバックショット

キャンペーン・ロゴ、C.I(カットイン)

「走り去る情熱に・・・ブリヂストン」



どうだろう。(笑)



要するにシールド越しにライダーの視線を捉えてみたいと思ったのだ。


しかし、その当時は、そんな超望遠レンズを自分が買えるとも思えず、技術的にも到底無理だと思っていた。

しかし、昨年から車、バイクと選り好みせずにモータースポーツを撮り始め、曲がりなりにも道具だけは一人前になった。


練習を兼ねて足繁くサーキットにも通い、経験を積み上げてきた。




近場だけでなく、遠いサーキットにも足を運び、どこでどんな「絵」が撮れるかも少しずつわかってきた。
どのコーナーなら自分のイメージ近いカットが撮れそうか・・・と言うことも・・・・・





鈴鹿サーキット
2コーナーのイン側(激感エリア)もかなりイメージには近いが、自分の立ち位置とライダーの走行ラインの方向が少し違う。これはこれでいいのだが、やはり追い求めるものとは違う。



S字コーナーのイン側も悪くないが、ここは激感エリアからでは真横過ぎてイメージとは遠い。
プレスエリアからならばばっちりだが、そうそうチャンスは多くない。レースフォトグラファー講座に入らない限り、素人がここで撮影するチャンスは無い。
それになまじ激感エリアが出来たためにベストポジションが若干狭くなった。



これは今年の鈴鹿300kmレースの時にプレスエリアから撮ったもの。


S curve

もう少し、クリッピングポイントに近い場所から撮りたい。あと2mくらい


それに撮影技術的にも失敗だ。
「止まるポイント」がフロントゼッケンに来てしまっている。


これはこれでまあ、素人写真的にはOKかなとも思うが、ボクの目指すイメージとは違う。




そんな中で、今、一番イメージに近いカットが撮れそうな撮影ポイントが鈴鹿のダンロップコーナーだ。
ここも同じくプレスエリアなのでレースフォトグラファー講座に入らない限り、撮影は出来ない。
しかし、わずかなチャンスとは言え、ここが一番イメージ通りだ。



ダンロップコーナーのクリッピングから、デグナーに向けてフル加速をしていくマシン。
そしてその
走行ラインはカメラを構えるすぐ目の前だ。


但し、フェンスや他のカメラマンに遮られて進入してくるところが見づらい点とアクセルを開けてくるポイントのため、車速が速いことが撮影の難易度を上げている。


6月の鈴鹿300kmレースの時に初めて撮影するチャンスがあった。


300km 12

視線をはっきり写すという意味では悪くはないが、目指すイメージとはちょっと違う。




300km 33

同じポイントから1/30秒で撮ったものだ。いまいち、ライダーの視線を捉え切れていないが、ボクの目指すイメージはこのカットの延長線上に間違いなく存在する。

しかし、ボクの腕ではかなり難易度が高く、結構な枚数を撮った中で、そこそこ写っていたのはここまでだった。



もっと引きつけて、もっとスローシャッターを切りたい。


写真を見た瞬間に、ライダーの視線に思わず意識が行くようなカットが目指すところだ。



今回の鈴鹿8耐でもここで撮影するチャンスに恵まれた。

しかし、実質このポジションで撮ったのは10分程度だったと思う。

8耐は出場チーム数は多い。今年の8耐では70台ものマシンがスタートラインに着いた。
しかし、その中で写真を撮りたいと思う、チームやライダーを選り好みをするとせいぜい、10~15チームくらいとなる。
そして1周のLap Timeはトップで2分8秒台。トッププライベーターで11秒から13秒くらいまで。


したがって、10分間で巡ってくるチャンスは、

2分10秒=130秒

10分=600秒

600/130=4.6ラップ

4.6x15チーム=69回

となる。


要するにざっくり言って、69回のチャンスしかないことになる。

そしてこのたった69回のチャンスの中で自分のイメージを追い求めるのだ。


実際には進入してくるところがよく見えない事もあり、、あまり選り好みをせずに撮影した。
したがって、この2倍程度は撮影をしたことになる。



しかし、今回もやはり、けして多いとは言えないチャンスをものにすることは出来なかった。orz


この辺は1/30秒での撮影だ。

前回の経験を生かして、いくらか大失敗は減ったが、まだまだだ。
8tai 10



8tai 112



このポイントでの一番イメージに近かったカットはこれだろうか?

3位に入賞した、チームハルクプロの小西選手だ。


8tai 73

キヤノンEOS1Dマーク3、EF600mmF4L USM、Tvモード(評価測光、露出補正なし)、シャッター速度1/15秒


写真としては大失敗だ。

しかし、着実に撮りたいイメージ近づいている実感はある。


今のボクの技量としてはこのくらいが精一杯だが、いつか、そう遠くない将来にイメージにどんぴしゃのカットをものにしたいと思う。