ライディング・フォーム | 木馬の四方山ばなし

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趣味の話や日々の出来事を中心に何となく、自己満足のためにつづっていくブログです。

ボクはMotoGPに参戦しているライダーの中では、チーム・グレシーニから参戦しているトニ・エリアスのライディングフォームが大好きである。


誰よりも深くリーンして、誰よりも体を低い位置に落とす。

それでいて視線は路面すれすれの位置から、前を見据えている。


elias

去年のもてぎで、初めて走りを生で見た。
誰よりも速いS字のコーナリングスピードを見て今年は絶対に大ブレイクするライダーだと思っていた。

しかし、意外に苦戦している。おまけにアッセンでは転倒して、大腿骨骨折までしてしまった。(T_T)


今年のホンダのマシンは出来が今ひとつだったので序盤に出遅れ、今ひとつ波に乗りきれないままに、怪我をしてしまい、その怪我を引きずったまま終盤戦を迎えてしまったという感じだ。


しかし、先日のもてぎでの走りを見る限りではほぼ復調したと言っても良いだろう。
もてぎでは変化する路面コンディションへの対応が大きく明暗を分けたので、単純に戦力分析をするのは難しいが、残りは3戦。


今週末のフィリップ・アイランド
来週末のセパン
11月第1週のバレンシア


このうちのどこかで勝てそうな気がする。

頑張れ!エリアス。


しかし、もてぎの写真をセレクトしていて思ったことが二つある。


その1
玉田とコーリンのコーナリングフォームは格好悪い。(ファンの方、ごめんなさい)


tamada

二人とも感じが似ているが、斜め前に体を伸ばし、頭までリーンしている。


edward

この写真ではコーリンはマシなように見えるが、生で見ていると玉田といい勝負だ。


何となく間抜けなフォームである。少なくとも本人たちは気合い十分の走りなんだろうが、見ている方には伝わってこない。
二人のファンには申し訳ないが、正直なところ、見ていて脱力してくるフォームである。


その2
上記の二人を別にすると最近は、コーナーの立ち上がりでは、上半身を使って目一杯フロント荷重を作り出すライダーがほとんどである。(玉田よりはコーリンの方がいくらか前傾は深いようだが。)


立ち上がりでは上体を前に倒し、頭の位置がイン側のグリップの横に来るくらいのフォームを取っているライダーが多い。
ロッシも例外ではない。


今のMotoGPマシンは電子デバイスの固まりである。
フル、セミを問わず、スロットルbyワイヤーシステムは軒並み採用されており、それを利用した、より積極的なトラクションコントロール・システムはどのマシンにもついているらしい。


ちょっと脱線
その昔の2サイクル時代のGPマシンにもトラクションコントロールとまではいかないが、Wetコンディション用として点火時期を変えたマップに手元スイッチで切り換えられるなシステムがあった。
パーシャル域の点火時期をリタードすることで出力を押さえ、2サイクル特有の唐突な吹けあがりを抑えていた。
原始的なトラコンと言っても良いかも知れない。


今は、TBW(throttole by wire)を利用することで、ライダーがアクセルを開けてもそのまま、キャブ(というか燃料噴射装置)のスロットルがそのまま同じだけ開くわけではなく、コンピュータによって決められた分だけスロットルが開くので適正な出力が得られるようになっているようだ。
脱線、おわり



こういったバカチョンシステムのおかげで、今のGPライダーはクリッピングを過ぎたらアクセルをバカ開けするだけである。あとはがグリップを失わないだけのパワーを徐々に出すようにコンピュータが演算し、その結果に基づいてスロットルを徐開しているだけだ。
したがってライダーは、アクセル操作によるリアのトラクションコントロール、あるいはスライド量のコントロール、と言うことには気を遣うことなく、前後のタイヤのグリップがちょうど良くバランスするように上体を使って、前後の荷重を変えてやりさえすればいいのだ。
だからライディングフォームが変化してきているのだと思う。

もちろん、素人の勝手な推測である。


しかし、かつてのK・シュワンツのようなフォームは極端にしてもお尻でリアタイヤのトラクションを感じながら、そして、リアのスライドが止まらないならウイリーしてでもリアの荷重を増やしてトラクションさせていく乗り方とは明らかに違う。


ボクは数年間のブランクを経て、昨年からマメにMotoGPを見始めた。

その前の2ストとの混走時代にはテレビ観戦はしていた。
生観戦は2ストしかいなかった時代にまで遡る。


そんなボクが去年からじっくり見始めて、マシンの挙動、ライダーの動きなどに、違和感というか、以前と違うものを感じていた。
そしてその一番の違いがこのライディングフォームの違いである


もちろん、単純に2サイクルと4サイクルの違いから来るのかも知れないが。


4サイクルは2サイクルと違って、パワーバンドに入った途端に一気に吹け上がるようなことはない。したがって、いつでもRRのスライドに身構える必要があった2ストとは乗り方が変わってきて、当然なのかも知れない。


今年の全日本を見ていて、先日亡くなってしまった阿部ノリのライディングフォームが2スト時代と随分変わったことに気づいていた。
JSB1000のマシンにはややこしい電子デバイスなんて無いから、単純な4と2の差だったのかもしれない。



もう、今となっては阿部選手にコメントを求めることも出来なくなってしまったが・・・・(T_T)