タイヤかすと言うモノを見たことがあるだろうか?
一般道を走るためのタイヤでは、目に見えるようなカスはほとんどでないのでサーキットに足を運んだことのある人以外はまず見たことはないはずだ。
2輪、4輪を問わず、オンロード用のタイヤは、パターングリップではなくトレッドゴムの粘性(アドヒージョン)によってグリップ力を発生する。
スリックタイヤなどはその顕著な例である。
よくレーシングタイヤは消しゴムに例えられるが、まさしくその通りである。
タイヤ自身が摩滅しながら、摩擦力を発揮するのだ。
2輪ロードレース用タイヤが出す、タイヤかすはかわいいモノである。
せいぜい、小さな「かりんとう」か小動物の「ウンコ」くらいのちいさな固まりである。
これが4輪のスリックタイヤとなるとかなり話は変わってくる。
これは先日、鈴鹿で行われたスーパーGT、ポッカ1000km耐久レースの時のカットである。
スーパーラップと言われる、予選上位10チームによるタイムアタックの途中で撮ったモノだ。
コース上に散らかったタイヤカスをコーナーマーシャルがはき出したモノを撮ってみた。
トレッドがかなりの大きさで剥がれたような、とても「カス」とは呼べない大きさのモノが落ちている。
まるでレイングルーブのあるタイヤがドライ路面に絶えられずに剥がれたかのようだ。
しかし、この日は朝から終始、晴天である。各チーム共にスリック以外は使っていない。
にもかかわらず、この大きさである。
路面温度はかなり高かったのでその所為かもしれないが・・・
よく高速道路におちている剥離したトレッドのようにも見えなくもない。
もっともあれは、トラックなどが使っている再生タイヤ(古タイヤにトレッドゴムだけを張り直してあるもの)がほとんどのようだが。
なんにしてもこんな光景ひとつ取っても、タイヤにとってレースというモノが如何に過酷なモノかが良くわかると思う。