世の中、バイオエタノールが大人気である。
原料となるトウモロコシを作るために農家がオレンジを作らなくなったので、オレンジが値上がりしたというニュースまで見た。
国内でもきょうから、これを5%ほど混ぜたガソリンの販売が始まったようだ。(なぜか、バイオ・ガソリンという訳のわからない名前で報道されているが。)
バイオエタノール
最近は一般のニュースや新聞でも取り上げることが多いので聞いたことがある人は多いはずだ。
しかし、それって何?と言われて説明できる人はかなり少ないはず。
バイオエタノールとは、トウモロコシなどの植物から作るアルコールのことである。
まあ、エタノールは皆、有機物の発酵から作るので広義では皆、「バイオエタノール」である。
わざわざ「バイオエタノール」とバイオテクノロジーの枕詞を着けなくてもいい気もするが・・・???
ちなみになじみのある、もう一つのアルコールがメタノール。
いわゆるメチルだ。
こっちは無機質から分離して作るらしい。石油の一種に分類されるようだ。
ちなみに数年前に話題になった、ガイアックスというガソリン。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
割安なのではじめはそこそこ売れたが、これもやはりアルコール系ガソリンである。
アルコールはガソリンに較べると金属を腐食させやすいため、当時、問題になり淘汰されていった。
しかし、世界的にみれば、ブラジルなどはかなり前から、サトウキビから作ったアルコール燃料で走る車がありインフラも整っている。
リオの街なんかを歩いているとアルコール燃料のあま~い独特の臭いが鼻につく。
サトウキビから作るから甘い匂いがするんだと誰かに聞いた気がする。
まあ、ガイアックスやブラジルのアルコールの場合は、その製造コストの安さから始まったものであり、今、取りあげられているような「環境エコ」の観点で普及したわけではない。
じゃあ、なんでバイオエタノールが地球に優しいのか?環境エコなのか?
植物が光合成する際にCO2を吸収するのは中学あたりで誰もが習ったことだろう。
従って、その植物を原料とした燃料を燃やしても、その時に発生するCO2は、もともとその植物が吸収したCO2を排出することと同じなんだから、地球的にみたトータルのCO2の量は変わらない。
つまり、原料の植物がその成長過程において吸収したCO2と、燃焼させた場合に発生するCO2の量は等価ある。
・・・・と言うのがその「へ」理屈である。
これに対して、いわゆる化石燃料(石油、石炭など)を燃やした場合にはそれらに含まれている炭化水素が燃えたときに、CO2を発生するのでトータルのCO2が増えるからイカンという事になっている。
埋没していた資源を掘り出して、それを燃やすと言うことは、CO2の純増を意味すると言うことである。
しかし、バイオエタノールがエコだというのは相当な詭弁だと思う。
ものを燃やして(酸化させて)その熱エネルギーをさまざまな形で取り出す訳だが、ものを燃やす以上、そこにCO2の排出という、切り離せない事実がある。
これをなんだかんだとへりくつをこねて「これがエコだ!」なんてちゃんちゃらおかしいぜ。
それこそ偽善者というものだ。
エネルギーの浪費を押さえるのが本来あるべき姿である。
最近、アメリカがこぞってこのバイオエタノールに力を入れ始めたのは、自国内で消費するエネルギーの多さを正当化するために、こうしたこじつけ理論?を支持しているからだろう。
もちろん、トウモロコシなどの原料を大量かつ安価に生産できるインフラがあるから、というのも大きな理由のひとつだろう。
こうした穀類が値上がりして利益を上げたいと思っている輩もいるのかもしれない。
本当に地球環境のことを思うならば、あんな無駄にでかい車には乗れないはずだ。
もっとも最近の原油高のせいでガソリンが高騰し、北米でも今や、小型車やハイブリッド車が売れているという。
しかし、奴らの選択理由は地球環境への配慮などと高尚なものではなく、単に自分自身のファイナンスに対するケアとしての選択だろう。
全くもって身勝手なものだ。
フン。
先日、友人がうまいことを言っていた。
アメリカは「世界のジャイアン」、「世界のガキ大将」だ、だって。
うまい事いうなぁ~。
感心してしまった。
まあ、σ(^_^;もこの「四方山話」の中では、ジャイアンよろしく好き勝手なことを書き散らかしているのであまり、他人をとやかく言う資格はないかも知れないが・・・・(爆)
でも、アメリカの一国主義は大嫌いだし、変なところばかり、アメリカナイズされている日本(人)も大嫌いである。
思いやりや優しさが日本の美徳である。
謙譲語、謙遜語の類があるのが日本語の美しい特徴である。
せいぜい、その基本を忘れないように日々の四方山話を書くことにしよう。