スピリチュアル界隈でよく言われる、「ハートとマインド」というものを考えた時、
ハート→胸の真ん中、いわゆるハートチャクラ(第4チャクラ、下の図の緑色の場所)の位置
マインド→あたま
というイメージを漠然としている人が、たぶん多いと思うのです。
ハートの声を聴くと、魂がよろこぶ、みたいな、抽象的なことがよく言われます。
頭でものを考える人(いわゆるマインドが強い人)ほど、「ハートの声を聴く」世界に夢を見ます。で、好きなことを思う存分やってみるとか、あえて常識の逆を行ってみる、なんていうことをやることに、大きなブレイクスルーを求めます。
なんだけど、このスピリチュアル界隈でみんなが言ってる「ハートの声をきく」は、実はハートチャクラに関係ないところが関連してるんじゃないかと、昨日ふと考えました。
下から2番目のイエソドには、月が対応しています。
占星術での月の意味するところが示す通り、ここは自分の潜在意識の表層部であり、現実を産む基礎の部分です。
人間の身体・エネルギーボディで言えば、対応する部位は第2チャクラ辺りなのではないかと思っています。(いわゆる子宮とか丹田とかの位置)
生命の樹は、真ん中のラインが実体で、左右は陰陽の作用として働きます。この左右のバランスの結果として現れるのが、真ん中のラインです。
右側のネツァクは金星、感情や衝動などを司ります。
左側のホドは水星に対応して、思考、作業などを司ります。
右側の柱は陽の役割で、概念的には外に外にと広げる、能動的な働きをします。
対して左側は陰の役割、概念的には内に内にと抑制する、受動的な働きをします。
占星術的な対応では、金星は女性性、水星は中性なので少し違和感はありますが、
金星=感情や衝動
水星=思考
という具合に、純粋に働きとして対応していると思って下さい。
感情・衝動(金星)
思考(水星) の子供が、

潜在意識の表層部(月)
というわけです。
で。ややこしくなったところで話を戻しますが、スピ系の皆さんがよく言ってる「ハート」というのは、
このネツァクの領域のことなのではないでしょうか。
で、わがままになってみたり、お金を好きな事にワーッと使ってみたり、オシャレしてみたりして……これが女性性の開花よ

というつもりになってみる。



…………
でも、生命の樹で考えた時、本当のハートチャクラは、もっと上の方なのよ。
(ティファレトは、占星術的には太陽に対応していますが、ずばりここは太陽神経叢のチャクラです。)
真の『ハートの声を聴く』って、現実的なことを、衝動的に思う存分やる、とかいうより、もっと本質的な概念なのだろうと思います。
金星的働き(感情・衝動)が、男性性(陽)的な柱にあるのが、すごく興味深いのですが、衝動的に現実的なことをやるのは、本質的な女性性(陰のエネルギー)活性化には繋がらないのではないか、と思いました。
生命の樹の観点で言いますと、真の女性性活性化は、むしろ、マインド(ホド=水星)の波動を上げることなのではないでしょうか。
たぶん、ホドの波動が低いと、ネツァクの波動もバランスを取るように低くなり、マインドによる抑圧、ハートと称した衝動的なアクション、という二極を、躁うつ病のように行ったり来たりするんじゃないかな。
その結果、自分を満たしているつもりでも、月(潜在意識)の波動もあまり上がりません。



個人的な意識(エゴ)の範疇である、月と金星の意識が癒されていなければ、そこに捕らわれ、その外の惑星、生命の樹の上の方のセフィロートには意識が及びません。
なので、ハートの声を聴くって、現実的な意識に閉じ込められた状態からすると、かなり高度なことなんだなあと思います。
昔から、宗教というものに、出家、瞑想、修行など、俗世間と関わりを断つアクションが付き物なのは、その悟りを得るためなんでしょうね。
ただ、今の時代は、いろんな情報(水星的要素)がオープンにされていますから、そこまでせんでも、日常のなかで磨いて磨かれて、意識の波動を上げることが昔より可能になっているだろう、とも感じます。



話がだいぶ小難しくなりましたが、ようは、ハートを満たす

っていうのは、そんな単純な話じゃないかも って思ったことと、



あと、なんか去年は金星がやたら強調される星回りで、そういう要素のひと(性的な女っぽい要素を強調したり、現実的なお金の話をやたら出すひと)がすごく目に付いたような気がするのですが、
そこから一巡りして、女性性というものの本質が少しずつわかってきたような、そんな気がしました。
自分の満たし方(月の癒し方)についても、なんだか新しい見地が湧いて、ちょっとワクワクしています。
トートタロットを作ったクロウリーは、ヒンズー教の教えの方から色々持ってきて、トートの書に少し記述をしているんですけども、
私たちも、タロット研究の見地から、いろいろまた考えて発信していきたいと思っています。