発売日:2012/10/5
文庫:205ページ
ISBN-13:978-4198936105
桜大(おうた)が生まれ育った「黒沼村」は、人と
不思議が同居する場所。
かつて沼があったとされる黒沼の森の奥には、
禁忌の場所がある……。
「センセイ」と呼ばれる謎の男の人に導かれ、桜大は
森で何を見出すのか。文庫書き下ろしで登場!
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香月氏と言えば、妖怪アパートシリーズ。
2巻まで読みましたが、これはもう大好きです。
他のSFや不思議系の話も読んでいますが、やはり
不思議系の話が温かくて好きです。
ただ不思議とか怖いのではなく、自然や神に対し
畏怖の念を抱くという根本的な事を子供を通して
伝えている。
子どもが畏怖の念を抱けるのは、周りの環境も
大いに関係していると思うし、そんな大人たちに
大切にされてきたんだなぁ~と嬉しくなります。
センセイと呼ばれる外から入って来た大人も
ちゃんと先生の役割を果たしてます。
外で生活していたからこそ、色んな不思議を体験して
それを子供たちに噛み砕いて教える。
頭ごなしに否定する人が多い中、本当に貴重な
存在だと思います。
不思議を受け入れない人や拒絶する人もいるけど
それすらも受入れる柔軟な心がいい。
現代版の遠野物語とでも言ったらいいのか・・・
不思議で怖くて温かくて・・・
田舎での不思議体験を思い出しました。
忘れてはいけない大切な思いが詰まってます。
懐かしくて楽しくて、ちょっとホロニガイお話です。
今回の読書メモ
夏の強い日差しは森の緑に濾過され、木漏れ日は
優しく木々の間に射し込み、景色を
エメラルドグリーンに染めていた。
これ、わかるわぁ~
景色がエメラルドグリーン!緑のトンネルですね♪
ヒダル神(ヒダルがみ、饑神)は、
人間に空腹感をもたらす憑き物で、行逢神または餓鬼憑きの一種。
山道などを歩いている人間に空腹感をもたらす悪霊の類をいう。
猪鍋=牡丹鍋 鹿鍋=紅葉鍋
七人ミサキ
強い恨みを呑んで死んだ者の集団
これに行き当たると祟り殺され、取り込まれ
死霊のうちの一人が成仏する。ホラーではおなじみです。
法悦
うっとりするような悦び。陶酔。