雨宮兄弟の骨董事件簿/高里椎奈 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2022/11/2
文庫:240ページ
ISBN-13:978-4041129494

訳アリ兄弟と世話焼き刑事が、謎を解き縁を結ぶ、
アンティーク・ミステリ!

潮風香る港町、横浜の路地裏の石畳に佇む
ダークブラウンの小さな店、雨宮骨董店。
明るく才能豊かな若きディーラー・雨宮陽人が、
弟の海星と共に経営する店だ。
しかしこの兄弟、生活能力に欠ける所があり、
陽人の友人で刑事の本木匡士が面倒を見ている。

ある日、匡士が店を訪れると、陽人が女子高校生
二人組に依頼され、カメオの鑑定の真っ最中だった。
陽人が買い取りを拒否し、二人は立ち去るが・・・
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これはシリーズになりそうな感じですね。

両親は海外に骨董品を探しに行っていて
留守を兄弟で守っているという設定。
メインで店舗に出て、出張に行くのも兄の陽人。
弟の海星は、体が極端に弱いので基本は家の中。
その面倒を見る羽目になっているのが刑事の匡士。
都合よく、いい関係です(^◇^;)



第一話 女神のカメオ
女子高校生二人組に依頼され、カメオの鑑定をするも
陽人が買い取りを拒否。
直後、付近で高価なカメオの盗難事件が発生し……!?

第二話 シルバーボックス
アンティーク・オークションに出掛けた陽人だが、
出席予定の知り合いのディーラーが姿を現さない。
ディーラーは二日前から行方不明になっていて・・・

幕間 ビスクドール
黒川刑事が雨の日に拾った人形を拾得物保管所に
持って行った翌日、落とし主が3人現れて・・・

第三話 チェスト・オン・スタンド
個人客の蔵出しの手伝いに同行した陽人は
古いチェストを仕入れたのだが、美しい姿を
動画に撮って海生にみせると・・・

「雨宮骨董店の名に於いて、謎を鑑定致します」
これが決め台詞ですね。


初回なので、人物紹介やら、周りの近い人間との
関係なんかも説明されてます。
陽人の目利きとディーラー仲間との繋がりや
陽人とは違ったものが見えている海星の過去の話や
特異体質の事などが話される。

骨董品の歴史を遡る過程が楽しいんだけど
金額だけでなく、いかに大切に愛おしむか。
そういうのがジーンとしました。
そして、欲っていうのは、本当に厄介です。

事件も、現代になると色んなものが出てくるんだなぁ
益々目利き人の腕試し?目試し?が必要になるなぁ
初回は、こんな感じなのでしょう。
続きは、次回作のあらすじを見て決めます(^◇^;)


今作の読書メモ

今時、気に食わない事があれば三秒でネットに
放流され、好奇心の網に捕らえられれば一時間で炎上する。
誰でも正義の従者と真偽を問わない焚火好きを
心に飼っている。
理性の檻は熱に弱い。

カメオのモデル ギュスたーヴ・モロー アフロディーテ



イーグル・アイ(俯瞰):物体間の距離を認識する能力
スポーツの世界では、盤面を把握できるものが抜きんでる。
が、海星は物事を360度の全方位から見る才に秀でている。
見えていない面まで論理的に再構築できる。