発売日:2022/11/22
文 庫:352ページ
ISBN-13:978-4041125991
明らかになりだす、昭和と令和をまたぐ猟奇殺人事件。
柏村の後輩刑事・永田、謎の雑誌記者・明野は
どこへ消えたのか。
柏村が生んだという「怪物」とは誰なのか……。
鑑識の桃田、資料課の浦野とともに死体売買組織
「ターンボックス」の親玉を追うなか、
再び昭和のうら交番へ向かうこととなった平野と恵平。
「うら交番ヘ行った警察官は一年以内に命を落とす」
……二人のもとに、運命の時が訪れる。
大人気警察シリーズ、ついに完結!
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シリーズ第7弾。完結編。
プロローグでは、恵平と平野がうら交番を訪れたことで
柏村も行動を起こす。
そのことで、爪と毛髪のDNAの持ち主がわかった。
やっぱりって感じでしたが・・・
養子として育てた子供の行方も・・・
途中、平野の先輩刑事で浅川刑事に話しかけられ
サラっと語られた長野出身の伝説の女刑事って
比奈子だよねぇ~ こういうのが嬉しい
また、浦野の指示でDNA鑑定をやり直してもらったら
別のDNAが見つかった。
顔を見合わせる恵平・平野・桃田
これで昭和と令和が仮定では繋がった。
あとは証拠・・・
目星をつけた企業に平野と、応援で駆け付けた
久松署の水品が聞き取りに向かう。
丁寧な説明を受けている時、現れたのは・・・
人は怒りを抱えると、それを怨みに転化して
自分を守り、やがてはそれに囚われていく。
囚われてしまうと自分を神に押し上げて
何をやっても許されるのだと信じ込む。
そこからの凄まじい程の推理の組み立てと
平野の勘と、恵平の憶測。受け入れる桃田。
死体損壊遺棄事件と、ターンボックス:匣
昭和と令和
それらが一気に動き出す。
そこからの怒涛の展開と伏線回収が凄まじい。
平野も恵平も桃田も昭和の事件は知っていた
柏村が亡くなった時、何があったかも
記録として残っている。
こうしないと調書の通りにならない!と言った恵平が、
ある意味、冷静すぎて笑えた(^◇^;)
驚き過ぎて、苦しくて悲くて、感情が追い付かない。
そして、更にダメ押しの展開が待っていた。
全くノーチェックだった事まで引っ張り出して繋げまくる。
ネタバレになるから書かないけれど、
これで泣いた。マジ泣いた。
そうだったんだって思ったら、マジ泣けた。
桃田の「いつ気付いたんだろう」って言葉
なんて壮大な展開を作ってくれたんだろう。
その時を考えただけで、泣ける。
今際のお祖父ちゃんの言葉
「本当に貴重なものは、残るんだからな」
あぁ・・・信じていたんだよね
その生き様が、凄すぎて泣けます。
誰がこんな結末を予想できたでしょうか?
自分のためには頑張れなくとも、
誰かの為なら頑張れる
それは肩書の問題ではなく、生き様の問題なのだ
生き様って、こういう事を言うんだなぁ~
今年読んだ本の上位決定です。
これは、もう一度読みたくなる終わり方ですよ。
落ち着いたら確認の意味で、スルーしてしまった部分の
発掘に入ります。
間に合わなかったけど、恵平の名刺 応募したかったなぁ(^◇^;)