PUZZLE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平/内藤了 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2020/3/24
文 庫:336ページ
ISBN-13:978-4041087558

年の瀬が迫り、慌ただしくなる東京駅。
新人女性警察官の恵平は、置き引き犯から
スーツケースを押収する。
中には切断された男性の胸部が―
翌日から、都内各所で遺体の一部が次々に発見される。
冷凍状態の男性の胸部と足、白骨化した女性の手首、
付着していた第三者の血痕…
被害者は一体誰なのか?遺体発見のたびに複雑化する
事件を、青年刑事・平野と恵平が追う!
過去と現代の猟奇犯罪が重なり合う。
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東京駅おもてうら交番・堀北恵平シリーズ 第3弾

プロローグが、少しずつ長くなっている。
昔の事件とリンクしていたりする。

警察官の卵の恵平は、地域課研修を終えて、今は
刑事課で鑑識の研修中である。

イヴの夜、たまたま見かけたペイさんが置引き犯を
交番に連れて行くところで、恵平が引受けたまでは
良かったが、スーツケースの中には切断された
男性の胸部が入っていた。

そこから連続的に見つかる男性の遺体の一部分と
白骨化した女性の手首と第三者の血痕・・・
謎が謎を呼び、捜査は混乱する。

鑑識課で研修中の恵平は、スーツケースに付着していた
奇妙な模様から、手袋と判断した桃田(通称ピーチ)から
専門業者への聞き込みを指示される。

鑑識課もそうだけど、専門業者の知識もすごい。
手袋なんて、量販店の売り場に行けばいくつも下がっていて
いつでも買えてそこにある。
それを創り出す人の苦労なんて考えたこともなかったと
恵平の心の声に納得しました。

ペイさんに靴磨きをしてもらっている時、娘の行方を
探して母親が尋ねて来た。
恵平は機転をきかせて、靴が写っている画像をもらい
ペイさんに見てもらうと約束する。

それぞれが捜査に走り回る中、恵平と平野は、素面で
柏村のいる交番に辿り着いた。
恵平曰く「あの交番に行ける時は風の匂いが違う」
そして昔の事件の話を聞いている時、交番に電話が
掛かって来て、柏村は飛び出していくが・・・

事件の証拠品の靴をペイさんに見てもらったところ
平野と桃田が驚愕するほど詳細な情報をくれた。
更に、娘を探している母親から貰った画像から
靴のメーカーまでわかってしまった。
恐ろしやプロの記憶力!!

そんな中、墨田川テラス付近で不法投棄の連絡が入り、
中に入っていたのは、バラバラ遺体の頭部だった。
捜査班は、ペイさんの話を元に聞き込みをして
身元の割り出しに成功。

ところが、そこから話は怒涛の展開に!
色んな謎が芋蔓式に繋がって行く(〇o〇;)
ヒントをくれたのは、ペイさんであり、メリーさんが
前に紹介してくれた徳兵衛さんだったりする。

恵平は、柏村が言った事を思い出す。
犯人は一つの秘密を隠すために、何百もの嘘を
自供するものだ。ペラペラ、ペラペラとね。
今回の犯人の犯行の理由は、切なすぎました。

年末になって、メリーさんは老舗である家に
戻ってお正月用の花びら餅を作るという。

また、柏村と時代錯誤な交番は、警視庁の都市伝説らしく
ダミさんが女装でバイトしている店のマスターは
「行くと死んじゃう交番でしょ」と答えた。

( ̄△ ̄;)エッ・・? ファンタジーどころか、
物騒な話になって来たぞ・・・
気持ちがザワザワします・・・


さて、今回も楽しませていただきました。
このシリーズの楽しみの1つでもあるけれど、本当に
小ネタや蘊蓄が充実していて楽しい。

ペイさんの観察眼と知識は感動ものです。

赤の他人に金を貸すのは、良心に投資するのと同じだ

ペイさんが靴を磨くと、靴は柔らかく履き心地がよくなって
さらに長持ちすると言われる。

わかるなぁ~。mokkoは池袋の駅前の靴磨きの
おじいさんのところに一時期通っていた。
靴を磨きながら、靴やブーツの応急手当てもしてくれた。
確かに靴もブーツも長持ちしてました。