発売日:2022/1/4
文 庫:294ページ
ISBN-13:978-4591172230
東京駅の地下に佇む「水底図書館」は、世界中の稀覯本を
収集する図書館だ。
希少な稀覯本の取引の場にもなっており、世界中から
腕利きのディーラーが集う。
オークションで競り落とすには、「持ち主にふさわしい」と
館長の五色に認められる必要があり、あらゆる駆け引きも熾烈。
司書の未森は、古書ハンターの秋に振り回されながらも、
権謀や外敵から本を守り続けている。
そんなある日。五色が何者かに襲撃されて――
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初めましての作家さん。
地下にある秘密の空間・・・それだけでドキドキもの
それがよりにもよって東京駅の底の底
先日読んだ桜底は警察庁の底だったから
超ご近所じゃないですかぁ~
いきなりテンションあがりましたよぉ~
文中にも
「皇居を中心に、日本の中枢というべき機関が揃っている
見ようによっては、東京駅を含めた周囲一帯が聖地だ。」
と書かれているくらいですからねぇ~
聖地ですよぉ~о(ж>▽<)y ☆
表紙買いをして、レビューが酷評だったので
ショックを受けていたのですが、読み始めたら
全然面白いではないの。
やはりレビューは色んなのを参考にしないとダメですねぇ
叡智は万人に開かれるものだ・・・というのはわかるけど
希少な稀覯本を公開したら、普通の図書館の様に
書き込みされたり、お菓子クズをこぼされたり
切り取られたり、盗まれたりする危険が高いですよね
国会図書館並みにしたとしても、盗む奴は盗む(^◇^;)
古書ハンター的なモノは以前に読んだことがある
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命より本が大事と言ってのけるル・シャスールの
こだわりが溜息モノでしたが、本作はといえば
発見された希少本をオークションにかけるとはいえ
競り落とすわけではない。
水底図書館の館長が、その本を持つにふさわしいと
判断した者に言い値で与える。
館長は、代々同じ名を引継ぎ、図書館への入口は
いくつもの通路を経由されている。
図書館は、紹介制となっており、案内されないと
中には入れない。
しかし、五代目館長が襲われ意識不明で入院。
犯人は関係者でしかありえない。
犯人は、誰だ?っていうのと、書籍のオークションと
書籍を狙う輩のスッタモンダが描かれております。
これはなかなか面白かったですよ。
続きがあるなら、きっと読みます。
なんせ主人公の司書:未森と古書ハンターの秋が
面白い関係だったり、古書を狙う組織もいたりして
更には、公表されると困る本だったり、公表を
阻止しようとする輩だったりが、本を巡って
駆け引きやら策略を巡らす。
背景が面白いです(ΦωΦ)フフフ…
駆引きとか策略とかは、旗師・冬狐堂シリーズが
絶品だと思うのだけど・・・
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狐罠/北森鴻
これはこれで面白い。
東京駅は鬼門だけど、行くことがあったら
頑張って秘密の扉を探してみたくなりますよ(○ ̄m ̄)
今回のワクワクしたワード
本を開く人は、みな良き隣人です
人は書のために死んではならない。
書は人を生かすものだ
部族ごとに名前や習慣があったものを
名前という呪文をかけ、一つにされた。
名前は束縛になり、凶器にもなる
人間の喜怒哀楽や知識は無限で、その無限を
記したものが本でしょう。
だとしたら「本」に完成なんかあり得ない。
その本を置く本屋や図書館も同じ。
「未森」という名前は永遠に完成しない森
本そのもの、つまり人間そのものなのね
人はなぜ、物語を作るのだろうな?
なぜ人は物語を作り、あまつさえ他者と
共有しようとするのだろう?