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書物狩人 (講談社文庫)
Amazon |
ページ:352P
発売日:2010/4/15
たかが本――
だがそこに書かれたことは時として大企業を破滅に導き、
国家を転覆させることもある。
錚々(そうそう)たる依頼人の願いをうけ、世に出れば
世界を揺るがしかねない秘密をはらんだ本を、
合法非合法を問わずあらゆる手段を用いて入手する
「書物狩人(ル・シャスール)」。
歴史の闇に隠されてきたその足跡が今初めて語られる!
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初めましての作家さん
Mirokuさんから頂いた本です。
たかが本。されど本。
なんて生易しいものではありませんでしたぁ~
秘密をはらんだ本って何だ?って思ってたんだけど
とんでもない世界があったもんだ。
いや・・・作ったんだろうけど、それでもスゴイ。
旗師・冬狐堂シリーズの化狐と化狸の騙し合いというか
緻密な贋作造りを連想してしまうような本が
どんだけ作られてるんだ?
っていうか、歴史に埋もれていたものを
どうやって掘り起こす?
情報収集能力に長けているとはいえ、その速さも
ありえないでしょう・・・
だけどだけど、本物だろうが偽物だろうが
世に出てしまえば、取り返しがつかない。
隠したい側、脅して利益を貪ろうとする側、
存在を知った瞬間からの攻防
その狭間をすり抜けるように本を手に入れ
依頼に応える書物狩人(ル・シャスール)
ル・シャスールって、フランス語らしい。
他の国でも狩人に当たる呼び名があるみたいだけど
フランス読みの方が言葉の響きがいい
冬狐堂の狐と狸の化かし合いもドキドキしたけど
これは別の意味でドキドキしましたよ
騙しっぷりがすごい。
しかも表面は極めて紳士的!
けれど腹の中はコールタール並みのクロドロ!
そして久しぶりの敬語萌え(^◇^;)
命より本が大事と言ってのけるル・シャスール
最後の「実用的な古書」が気に入りましたぁ~
こんなこだわりもあるんだと、溜息出ましたよぉ~
楽しい時間を過ごせましたо(ж>▽<)y ☆