発売日:2022/1/14
文 庫:256ページ
ISBN-13:978-4065267035
彼らは、事件を解決せず救わず、ただ「処理」する。
内藤了待望の新シリーズは、警視庁の底に棲むやつらを描く、
前代未聞の警察×怪異の物語!
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ヤクザに追われ、アルバイト先も失った霊視の青年・安田怜は、
路上で眠っていたところ、サラリーマン風の男に声をかけられる。
曰く 「すこし危険な、でも条件のいい仕事を紹介しよう」
「場所は警視庁本部――」
警視正は首無し幽霊、同僚も捜査一課も癖の強いやつばかり。
彼らは人も怪異も救わない。仕事は、人知れず処理すること――。
桜の代紋いただく警視庁の底の底、彼らはそこにいる。
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シリーズ第1弾
よろず建物因縁帳の完結編に予告が載っていたので
買わないわけにはいかない。
発売当日に、書店で購入しました(^◇^;)
よろず・・・は建物の因縁だったけど、今度は土地の因縁!
(しかも場所が東京都内なので想像しやすい)
彼らは人も怪異も救わない・・・(゚∇゚ ;)エッ!?
一瞬、0能力者ミナトを連想しましたが
仕事は、人知れず処理すること・・・ってことから
薬屋探偵みたいに、怪異の痕跡を消して
普通の人間が起こした事件に偽装することらしい。
ただ、決行するのは妖ではなく、人と霊だったりする。
薬屋探偵のアキに教えたいなぁ~(^◇^;)
幽霊嫌いだし。(早く続き読みたい!!)
怪異は勝手に事件を起こす。それを一般人に知られては困る。
信じない者に、現象を正しく理解することはできないし
信じる者がいても、悪用されては困るってことらしい。
エピソードは2つ 「手足を奪う霊」
「札の辻キリシタン無念の火」
本作は、いわゆる霊感が強いと言われてる人なら
思わず納得する話や小ネタがたくさんありますよぉ~
初刊なので、登場人物の紹介や役割の説明を中心に
粛々と「処理」するのだが、問題は彼らが集う場所が
警視庁の地下
タイトルの「桜底」って気になっていて
桜の木の下には死体が・・・ってやつかと思っていたら
桜田門、松平家の跡地の底ってことでしたか!
上空から見ると奇態な形状をしているのは
奈落に滾る怨霊を鎮めるための『呪』である・・・?
二つの建物は梵字を模していて形状自体が
「呪」になっている。
主人公は、いわゆる視える男:安田怜(れい)
家賃の為に受けた依頼は、姦姦蛇螺(かんかんだら)の
餌に選ばれたヤクザ屋さんの若頭を救うこと。
しかし・・・!っていうのが事の始まり。
↑クリックサイト (折紙:JOAS賞 特別テーマ部門:「妖怪」)
2chオカルト板のスレッド「洒落怖」に紹介されたホラー及び
それに登場する怪異の一つ。
ググったら、本当にあったぁ(^◇^;)
ネットで定期的にバズるこの手の話は大抵裏があり
物見高い連中を呼ぶ仕掛けだったりする。
なるほど!定期的に餌を呼び寄せてるんですね。
肝試しと称して禁忌に触れる輩は、餌ってことね。(○ ̄m ̄)
なんだかんだで、ヤクザに追われる羽目になり
逃げ出した怜が、仕事を紹介されて向かった先が警視庁。
しかも通用口から入れとの指示が。
その探し方がいい!残留思念を冷静に観察してた。
「死者と生者は視覚的に大差ない。」
まさにそうなんですよ!!
幽霊は夜だけ見えるわけじゃない。
そして、面接の合否判定も確かに確実でした。
早速向かった現場は肢解刑場跡地
『肢解』というのは、拷問刑のひとつです。
そこに群れ咲くアッケシソウ(厚岸草)(サンゴ草)は
血に侵されているように見える。雰囲気あり過ぎです。
死霊の生成(なまなり)は、体が半分あるから厄介
これは初めて知りましたぁ~
今回のは、手足が実態で直接攻撃できる。怖いわぁ!
ミカヅチ班の仕事は魔物退治ではない。
そもそもああいうものは退治できない。
秘密は長々と守られ、新しい知識では対応できないから
「護り師」の末裔が関わり、警察組織にも秘密である。
世間から真実を隠し、オカルトは胡散臭いものとしておく。
登場キャラも色々いて楽しいですよぉ~
幽霊を筆頭に、式神使いに千里眼&霊視能力者、
虫使いに悪魔憑き、特殊清掃を越えた技術持ちの三婆ズ
どんな活躍をしてくれるのか、楽しみなのです。
主役の怜の霊に対する優しさが好きです。
警察が年末忙しいのは、金を工面する者が増える事と
大昔から大晦日には、宮中で悪さをする鬼を払う為に
追儺(ついな=鬼遣らい)があるので、鬼が町に出て
悪さをするかららしい。
なるほど、そうだったのかぁ~
警視正の席の真後ろにある物々しい鉄製の扉
表面の赤い模様は毎晩変化する
この扉の秘密も、いずれわかりそうですね。
これはまた、別の意味での知識の幅が広がりそうで楽しみ♪
このシリーズも追いかけます!