発売日 : 2004/4/8
文 庫 : 303ページ
クラフト・エヴィング商会の先代である祖父が
愛用していた古い皮トランク。
その底から古ぼけた手帖がでてきた。
そこには、不思議な国アゾットに関する、
驚くべき旅行記が記されていた。
読み進むうちに、孫にあたる三代目は、
奇妙な物の数々に出会うことになる。
得体の知れない機械、判読不能の書物やポスター、
奇妙な譜面や小箱、そして酒の空壜らしきもの。
壮大なスケールの冒険ファンタジー。
1995年単行本版に加筆し、イラスト満載の手帖版。
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クラフト・エヴィング商會繋がりで、積読本を
読むことにしました(^◇^;)
入り口からして、ワクワクします。
古い引き出しから出てきた「雲、売ります」という広告
作ったのは、先代である祖父:吉田傅次郎(デンジロウ)
更に、祖父の古いトランクの底にあった古ぼけた手帖
そこに記されたアゾットという不思議な国・・・
ここからいちばん遠いところ、
それが自分の背中なのだよ。 いやホントの話
それがアゾットなんだよ・・・
クラフト・エヴィング商會ですから、
不思議の国のなにがし・・・などのメルヘン的なものを
想像してはいけない。
不思議というより奇妙と言った方がいい。
そして、よりワクワクするものが用意されている
これは先代:傅次郎のアゾット旅日記を追いかける
三代目店主、吉田浩美による検証日記であります。
アゾットには割と簡単に到着できる(^◇^;)
そこから21のエリアを巡ることになるのだが
アゾットにはホテルや宿が存在しないので、
蒸留酒を作っている蒸留所が宿を兼業している。
そのエリア独自の蒸留酒が怪しくて好奇心をそそる
更にイラストが、いかにもありそうな感じでたまらない
レトロ感満載の状態なのですよ。
ハードカバー版は、もっと見応えがあるんだろうなぁ~と
思ったりしました。
なんせ「どこかにいったものたち」で
心臓鷲掴みにされてますからぁ(^◇^;)
人は忘れる生き物である。
涙が収まるころ、ようやく忘却作業は終了し
新しい記憶のスイッチがONになる。
それが「ものごころがつく」ということです。
この解釈がスゴイ。
最後の蒸留所を探して辿り着いた場所には
代々、雲を収集しているという人がいて、
雲入りのビンが集められておりました。
まさに雲=クラウド コレクターなのですね。
3という数字の謎
ひぃ ふぅ みぃ という言葉の意味
これは、面白いと思いましたぁ~
これだからやめられない(〃▽〃)ポッ
そして何より感動したのが、最後の方に書かれていた
クラフト・エヴィング商會がクラウド・コレクションの作成を
依頼した、びん博士 庄司太一さん。
実在した人だったんですよ!
調べたら、朝日新聞にも載ったそうですよ。
アートにエールを! 東京プロジェクト(個人型)
思えば、クラフト・エヴィング商會を知ったのは
長野まゆみさんの作品でした。
鉱石からビンに興味は移り、レトロチックなビンや
ガラス製品をちょこちょこ買うようになりました。
それを考えると、やっぱり読書からの繋がりって
面白いなぁ~と思うのですよ。
さて、今度はどんな繋がりを用意してくれているのか
楽しみは尽きないのであります( ̄ー ̄)ニヤリ