アキちゃんに憑いているモノのことは、結局
思い出せなかったけど、眠ってしまった後のことは
覚えているので、そのことをお話しましょう。
その日、アキちゃんに憑いている霊を一通り見た後で、
トモちゃんのソファーベッドをかりて、眠った。
私は、大きな足音で目を覚ました。
若い男の人が、怒っているように、部屋を行ったり来たりしている。
普段ならビビルところだけれど、トモちゃんの家だから
当然という思いと、隣にアキちゃんが眠っていたので、
恐怖心はなかった。
無視してまた目を閉じた。
しかし、その男は、わざと耳元で片足をダンダンならして
私を起そうとする。
私に出て行って欲しいらしい。(嫌われたらしい・・・)
何度も目を覚ましながらも、私は暗い部屋の中の様子を
覗っていた。
さすがにトモちゃんの部屋だ・・・
何度目かに目を覚ました時、5歳くらいの男の子が、
枕元でしゃがんで私の顔を見ていた。
バッチリ目が合ったので、ついニッコリほほ笑んでしまった。
更に、バスルームのドアの横には、グレーの
フード付きの服を着た男の人が、壁に寄りかかった状態で
うつむいているし、冷蔵庫に、何度も体当たりしている
変な物もいたし、鏡台を気にして行ったり来たりしている
18~19才の女の子もいた・・・
まったく、とんでもない部屋だった。
確かに、トモちゃんのマンションの前にはお墓があるから、
しかたがないとも言えるけど、お墓に守られているところは
変な霊はでないはずだから、これはトモちゃんに
寄って来た輩だろう。
そしてAM4:30頃に、気がついたことがある。
隣でアキチャンが寝ていたはずなのに、私の横には
誰もいなかったのだ。
後からトモちゃんに確認したら、やはり私は一人で
寝ていたそうだ。