H峠から展望台へ向かう途中のHトンネルでは、
時々事故を引き起こすほどの怪現象が起きる。
T湖畔のホテルに勤めていた、ある日の夕方、
ホテルにチェックインのため1台の車が玄関前に到着した。
けれど、人が降りてくる気配がない。
ベルボーイが車まで行き、運転席のドアを開けると、
腰を抜かした運転手が転げ落ちた。
話を聞くと、Hトンネルをもうすぐ出るというところで、
ドーンという大きな音と共にフロントガラスに
血だらけの子供が逆さまに貼付いたという。
驚きのあまり、ハンドルを切り損ね、危うくガードレールに
激突する寸前に、なんとか回避できたらしいが、
恐怖で車を止めることも出来ずに、
ホテルまですっ飛んできたらしい。
確かにフロントガラスには、子供の白い手形が
たくさんついていた・・・