金縛り初体験から、半年ほどたてば
慣れっこに?なっていて、金縛りになりそうなときは
キーンという金属音がするので、起き上がれば
金縛りは免れるということを覚えていた。
ある日の夜、また遠くから金属音が聞こえてきたので、
まずいと思い起き上がろうとしたが、
タイミングが悪かったのか動けなくなった。
その日は、3人がまだ起きていて、部屋の
電気もついていたので、さほど恐怖は感じなかった。
けれど遠くからバイクの音が近づいてきて
耳のすぐ側で轟音を響かせ、首が押し潰されそうな程の
圧迫感を感じた時は完全に恐怖に包まれた。
まるで首の上にタイヤが乗ってでもいるかのような
感じだったのだ。
その時の金縛りは、いつもと違い、短い周期で襲ってきて、
しかも強烈だった。
これでは体力が持たないと、金縛りが解ける一瞬を狙って
カーテンを開ける事に成功。
同時に、両隣のベッドの子も勢いよくカーテンを開けて
「あなた今、金縛りに合ってたでしょう」と怒られた。
なんでも、一人の子は、腰を持ち上げられたようになり、
もう一人はベッドの蛍光灯が突然ショートしたそうだ。
金縛りの内容を部屋の先輩に話したら
「やっぱりね」と言われた。
何が怖いって、やっぱりって言われるのが怖いのよ。
話によると、寮の前で乱入してきた暴走族のバイクに
跳ねられ首を引かれて亡くなった人がいたそうです。