中学校編 天井から落ちたもの | mokkoの現実逃避ブログ

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中学の文化祭では、共同制作といって各クラスから

展示するための絵画(ベニヤ板に描く大きな絵)を出品する。
クラスから7人が選ばれて、製作にあたるのだが
その日の放課後も、残って作業をしていた。
そのうち作業に飽きた男子生徒が、旧校舎の
第二音楽室に霊が出るから見に行こうと言い出した。

なんだかんだ言いながら皆で行けば恐くないと
7人揃って第二音楽室へと向かった。
日も暮れかかり、旧校舎の中は薄暗い。
文子さんのピアノを通り過ぎ、突き当りを左に
曲がれば、その突き当りが第二音楽室だ。
皆で音楽室の後ろの入り口から中に入ると、
教室の壁に掛けられた有名作曲家達の絵が

不気味に浮かび上がって見える。

「何だ、何も起きないじゃないか」と男子生徒が
口を開いた途端に、教室の前の方で音がした。
私達女生徒は互いの手を握り合いながら
音のした方に目を凝らす。
すると、もう一度、ガタガタっと音がする。
どうやら音は、前方のグランドピアノの上からする。

更に目を凝らすと、右端の天井の板が動いている。
そして、ドサっと大きな音をたてて黒い何かが
天井から落ちてきた。
それを確認する間もなく私達は悲鳴をあげて
音楽室を飛び出していた。

教室に戻って、ようやく息をつくと、言い出しっぺの
男子生徒がいない。
もしかして、まだ音楽室に?
恐いと泣き出す女子生徒もいたが、

ほおって置くわけにもいかない。

男子生徒と一緒にもう一度音楽室へ向かう。


音楽室のドアは閉められていた。
恐怖のあまりに飛び出したのでドアを閉める余裕は
なかったはず・・・

ドアを開けると男子生徒が壁に張り付いていた。
まるで後ずさりを繰り返し、もうこれ以上下がれない
とでも言いたげに。


目は見開いたまま宙を見つめ、放心状態だった。
なんとか教室まで連れ帰り、何があったのか
問いただしてみたが、その部分の記憶だけが
プッツリと途切れて思い出せないという。
天井から落ちてきた黒い塊は何だったのだろう・・・