私が通っていた中学は当時、全国で3番目のマンモス校。
校舎の奥に木造の旧校舎がくっついていて、
つなぎ目の木造の廊下には、色も剥がれ落ち、
調律もされていない、古びたピアノがポツンと置いてあった。
それが、中学で伝説になっている文子さんのピアノだった。
文子さんは、成績優秀、スポーツ万能、誰からも好かれる
女性だったそうです。
期末試験が終わり、恒例の球技大会が行われた。
その日、文子さんは体調を崩していて球技大会を
見学していたが、決勝を目前に試合は苦戦を強いられていた。
クラスの誰もが文子さんに期待の目を向けていたのが
わかったのか、文子さんは無理をして試合に出場した。
競技はバスケ。文子さんの得意なスポーツだ。
試合が終わる直前、事故は起こった。
ロングパスを胸で受けてしまった文子さんはそのまま
前かがみに倒れ、痙攣したかと思うと動かなくなった。
結局、文子さんは意識を回復することなく亡くなってしまった。
その日の夜、死亡者が出たと言うことで、いつもは
一人ずつやる当直を二人でやることになったそうだ。
見回りの時間になり、一人の先生が懐中電灯を片手に
廊下に出たところ、音楽室からピアノの音が聞こえてきた。
誰かが残ってピアノを弾いていると思った先生は
旧校舎の音楽室へと向かった。
案の定、女生徒がピアノを弾いていた。
「こんな時間まで何やってるんだ」と言いながら近づいた時、
生徒が顔を上げた。
口からは赤い筋のように血が滴っていた。
あまりの恐ろしさに先生は悲鳴を上げた。
その声を聞きつけて、もう一人の先生がかけつけた。
その時、今度は体育館の方から、まるで球技大会の
再現でもしているかのような歓声が聞こえてきた。
先生達は、急いで体育館に向かい、扉を開けた。
今までの歓声が嘘のように止み、体育館の真中で
女生徒が一人、バスケットボールをポーンポーンとついていた。
先生は思い切って「文子か?」と声をかけた。
生徒はボールを胸に抱えススーッと先生の前まで進み
哀しそうな微笑を残して消えたそうです。
先生達は、今自分達が見たことが信じられず、
文子さんの自宅にTELを入れてみたところ
お母さんの様子がおかしいのを心配して
学校近くの自宅を訪ねてみた。
呼び鈴を押しても応答がないので、中に入ってみると
布団の前で呆然としているお母さんの姿があった。
先生が、どうされました?と声をかけると
「文子が突然起き上がって制服を着て出て行って、
さっき戻って来た」と・・・
文子さんは制服を身につけ、バスケットボールを
胸に抱いた状態で布団に横たわっていたそうです。
※※※これは受け継がれている話だそうです。
この話は音楽の授業中に八木橋先生がしてくれたんだけど
「この話をすると地震が起こるんだよ」と言った途端
実際に震度3くらいの地震がありました。
どんだけビビったか(゚O゚;
文子さんのピアノは、話とともに受け継がれ
いまでも廊下に置いてあるそうです。
(同窓会に出席した弟にも確認した)
今はどうかわかりませんけど・・・