三日月少年漂流記 /長野まゆみ | mokkoの現実逃避ブログ

mokkoの現実逃避ブログ

現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

 

2002/03/05読了
ページ:164ページ 
発売日:1993/1/1

博物館に展示されていた三日月少年が消えた。
充電式のニッカド電池で動く精巧な自動人形は、
盗まれたのか?自ら逃亡したのか?
三日月少年を探しに始発電車に乗り込んだ水蓮と銅貨の
不思議な冒険を描く、幻の文庫オリジナル。
『銀色と黒密糖』を収録
---------------------
『天体議会・・・』の前作にあたります。
博物館に展示されていた「三日月少年」が消えた
博物館館長の息子である水連から銅貨が聞かされた

ビッグニュース。
自分の意思で動けないはずの自動人形が逃亡した!

三日月少年の行方を追うべく、家出と見せかけて
学校もサボって始発電車に乗り込み追跡開始!
冒険の始まりです!
クマの縫いぐるみを抱いて離さない幼さの残る銅貨と
ちょっと大人びて器用で悪賢い睡蓮。
この二人のギャップがいい♪

三日月少年の行方をさがして立ち寄るデパート。
睡蓮の「自動人形と目が合った」と確信したセリフに、
小さい頃、デパートのマネキンが実は夜中に
動き回っているのではと疑ってた事を思い出しました。。

そして辿りついた月光舎。
自動人形(オートマータ)と噂される少年を乗せて、
船は南へ出航したのか?

長野ワールド独特のネーミングは主人公達に限らず、
美味しそうな食べ物達にも使われてます。
少年達が食べる不思議なお菓子や飲み物が

本当に美味しそうなの!
ハムと野菜を挟んだライ麦麺麭のサンドイッチとか
だるまストーブで温めた瓶の牛乳とか
黒麪麭と蜂蜜バターとか
オムレツとクリイムスープとバタつき麺麭のお弁当とか
こうして並べてるだけでも想像力を刺激します!

何がいいって、漢字の使い方ですよ。
まるで魔法のようです♪
----------------
『銀色と黒密糖』
これは『綺羅星波止場』にも収録されている作品です。
影を無くした銀色が黒蜜糖と一緒に人間の月彦を
石にして影を取り戻そうとするお話。
夢と現実の間をさまよう月彦の視点がコロコロ変わるので
その不安定さがこっちにまで伝わってきて怖い。