下鴨アンティーク 白鳥と紫式部/白川紺子 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:287P
発売日:2017年12月

蔵に眠る“いわくつき"の着物の管理を祖母から引き継いだ鹿乃。
その着物も、とうとう最後の一枚に。
「桜の園」と名付けられた着物は、西行の歌を書き置き残して
失踪したという野々宮家の女性、英子のものらしい。
家にある骨董などから英子の足跡を追う鹿乃たちだが、
祖母が「叔母さんは、山で神隠しに遭うたんや」と言っていたと知る。
神隠しの真相とは一体……!?

また、野々宮家に一枚の着物が届く。
送り主は良鷹の中学時代の同級生、津守亘。
しかし、津守はつい最近、亡くなっていた。
津守からの手紙には、着物に描かれた藤の色が
消えてしまった経緯が書かれていたのだが……?
最後の着物が導く、鹿乃・慧・良鷹の未来とは……!?

大ヒットアンティーク・ミステリー、ついにクライマックス!
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シリーズ第7弾(本編最終巻)

「雛の鈴」
蔵で帯の入った抽斗を開けると鈴の音がした。
手鞠の刺繍と立ち雛の刺繍の両面帯で鈴の柄はない。
帯の持ち主らしき人は祖母の女学校時代の同級生だったので
早速電話をしてみると、鹿乃の祖母とは関わりたくないと言い
冷たく切られてしまった。
会いに行ってみると更に冷たい言葉を吐かれてしまった鹿乃。
帯に込められた想いと、祖母の女学校時代の同級生の思いとは。

着物の秘密を追う事は、ひとの心を暴くこと。
帯に込められた予想外の思いの大きさに積もった思いが弾ける。
そしていきなりデレデレモードの慧と鹿乃に、良鷹は寂しそう。
まぁ~慧以外は嫌だと言ってるから、兄の心境は複雑だよね

「散りて咲くもの」
最後に蔵から出した着物は野々宮家の女性の着物だという。
もとは山の神に仕えた巫女の血を汲む女系の家。
良鷹が知っている曾祖父母の中にはない名前。
着物には水墨画のように描かれた一面の桜。
そして視界が白くなるような花吹雪の後、花は消えていた。
ひいお祖父ちゃんの妹の着物らしいのだが・・・

家系図から見つけた名前は、野々宮のまま。
結婚していないか、結婚前に亡くなった?
鹿乃の祖母が生まれる前に失踪したという野々宮英子
祖母は会った事があるような口ぶりで神隠しに遭ったという。
失踪する前に残した西行の和歌
たどり着いた思いは、なるほど最後の着物にふさわしい。

「白鳥と紫式部」
野々宮家に届いた宛名のない荷物には着物が入っていた。
送り主は津守亘という男性で、藤の花の色が抜けている。
良鷹の中学時代の同級生だと手紙に書かれていたのだが
丁度その時、良鷹も真帆を連れて亡くなった同級生の家に
骨董の買取に出向いていた。
遺産絡みで血の繋がらない親戚がおしかけていて
広い屋敷に一人残された小学生の娘の幸の引き取り先で
揉めている。
そこに鹿乃と慧が合流して・・・

これは思いっきりサスペンスじみてましたぁ~
まさかこのシリーズで心臓バクバクするとは思ってなかった。
たった一度しか口をきいたことが無いと言う亘と良鷹
その一度だけで、良鷹の事を見抜いていたのだろう。
頼る先として、間違いなかったです。
幸も視える子のようだし、この結末には大満足です。
なんせ鹿乃の祖母の化身と思われる猫の白露の言葉が
わかる子だったんですものぉ~(〃▽〃)ポッ

「あとがきの後に白鳥と紫式部の少し後のお話し」
幸ちゃんにお友達ができた瞬間が短く綴られていて
ますます(´。`;)ホッとしました。


初っ端に、蔵から出していな着物や帯はあと2枚
と書かれていて !?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?と慌てた。
まだ続くと思っていたので・・・

やっぱり鹿乃と慧がうまくいって、心配なのは良鷹で、
真帆ちゃんがいるとはいえ、そういうのとは違うと
思っていたので、幸ちゃんが家族に加わる事で
良鷹も少しは寂しくなくなると思うなぁ~
まさに、亘にしてやられたって感じです(@´゚艸`)ウフウフ
本編としては、きれいな終わり方だと思います。
偶然にもテレビで下鴨神社が出ていたので、鹿乃たちも
ここに来てたんだなぁ~と思ったら感慨深いです。

そして良鷹と食の好みが似ているんだよ。
これは著者の好みかのか?
プリンが好きで、ジャガイモは、ほっくりさせたものより
固めに炒めた方が好き。そうなんだよねぇ~
あとは番外編を残すのみです。