下鴨アンティーク 雪花の約束/白川紺子 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:262P
発売日:2016年12月

京都、下鴨―。
ある日、野々宮家を、見知らぬ男性が訪ねてきた。
知人の女性を探しているという。聞けば、その女性の祖母が、
鹿乃の祖母に着物を預けていたそうだ。
鹿乃が蔵から取り出したその着物には、斜めに横切るように
鮮やかな赤い糸が描かれていた。
ところが、まばたきする間に、その糸は切れてしまい…?
古い物に宿る想いをひもとく、温かな人情譚。
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シリーズ第5弾。

「星の糸」
ある女性の祖母が、鹿乃の祖母に譲った着物を見てこいと
執拗に言っていた。
ある日、見知らぬ男性が訪ねて来て、女性を探していると言う。
着物の話を聞き蔵から出してみると、裾に描かれた

苧環(糸巻)から1本の赤い糸が左胸に向かって

描かれていたのだが、見ているうちに膝のあたりで

プッツリと切れた・・・
女性にその着物を見るように勧めた祖母の思いとは・・・

-思うに、運命の赤い糸というのは、切れてからが本番なのだ。
いきなり、こんな言葉で始まるお話。
厄介な事情を抱えていた女性の身を案じて、鹿乃や慧も

捜索に加わり、偶然加わったアンソニー(春野)が得意の

情報網であっさり解決。
またもアンソニー!そしてまたも鹿乃に余計な事を!

「赤ずきんをさがして」
預けた母の着物を処分したいので返してほしい
そんな手紙を受け取って、蔵から出した着物は「紅葉狩」という
名前が付けられた、着物を埋め尽くす紅葉の柄だったのだが
見ているうちに、真っ赤になってしまった。
着物が預けられた理由と元に戻すための方法とは・・・

着物の柄の背景については、主に慧が活躍している。
准教授をしているだけあって、和歌やら能にも詳しかったりする。
けれど、それを読み解くのが鹿乃であって、その解決方法は
いつも優しさが込められていて安心できるんです♪
しかし!またしてもアンソニー!今度は何をするつもりなんだ!

「雪花の約束」
みんなでお茶会をってことで、アンソニー宅に招待された鹿乃。
行ってみると、お客は兎のぬいぐるみだけで・・・
帰り道、雪が舞っていて、鹿乃は風邪を引いた。
そんな時、ぐうたら良鷹は鹿乃に甘くなる。
雪華の着物を蔵から出してもらうと雪が舞った。
祖母に着物を預けたのは、持ち主の娘だったのだが
雪を愛した父が雪に殺され雪を憎んでいた・・・?

今回は、父親が勤めていた大学の先生(同僚)が着物の
持ち主と関係があり、そこから着物の持ち主を辿る。
やがてたどり着いた豪雪地帯で聞いた話は・・・
そして、鹿乃がとうとう・・・言っちゃった( ̄O ̄;) 
っていうか、そこで切るかぁ~!
続けて読んでいる方は、次の巻を用意してから
読みましょう。次の本が手に届くまで待ってられませんよ!
何故、そこで切る!と暴れたくなります(^◇^;)


「子犬と魔女のワルツ」
良鷹が高校生だった頃のお話し。
骨董屋「如月堂」に行った良鷹は、店にあった子犬の形をした水滴
(書道に使う水差し)に目をとめたが店主がいなくて
そのまま自宅に戻ると、子犬がついてきていた。
水滴の子犬が幼稚園児の鹿乃と良鷹に助けを求めるお話し。

これはいつもとはちょっと違う話になっているけど
幼稚園児の鹿乃が可愛すぎるぅ~(〃▽〃)ポッ
妹と彼女とどっちが大事って言われたら、妹と
即答できる良鷹の妹溺愛っぷりもそうとうなもんだわぁ~
それでも慧を信頼してるんだから、慧もそこんとこ
わかってやってぇ~!


今回の謎解きも、ギリシャ神話や能、雪国の祝い事と
バラエティに富んでいて、最後の話は違ったけど
ほぼ鹿乃が一人で解き明かす感じです。
そして、何気ない会話の中にもハッとする言葉が編みこんである。

幼馴染とはいえ、恋愛に対しての決着は本人がつけるもので
他人が無理やり結末を突き付けるもんじゃない。
「心配だから」を免罪符にすれば、ずかずかと内側に
あがりこんでいいわけじゃない。

ひとりでできるようになる、ていうのと、手助けが
いらないというのは、まったくべつのことだとおもう。
当たり前の様で、言葉にすると響くよねぇ~

そういえば、良鷹と似ている部分を発見した。
ゴーヤーは許容範囲だが、ピーマンは許せない。
カサブランカが苦手、仰々しくて匂いがきつい。
仲間だぁ~о(ж>▽<)y ☆