ページ数:298P
発売日:2016年07月
京都、下鴨―。
ある日、喫茶店店主の満寿から両親の話を聞かされた鹿乃。
鹿乃の母は満寿の店の前身である喫茶店「玻璃」で働いていた
ウエイトレスで、父はそこの常連客だったという。
鹿乃は稲妻が描かれた帯を手がかりに、幼い頃に亡くなった
両親の馴れ初めをたどりはじめる。
また、蔵から出した枯れ菊の着物が、慧の父親に
深く関係しているものだと知り…!?
それぞれの「過去」が明かされるシリーズ第4弾。
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シリーズ第4弾。
「星の花をあなたに」
祖母の化身ともいうべき猫の白露が桔梗の花をくわえていた。
桔梗柄の着物を蔵から着物を出してみると、花がこぼれ落ちた。
着物を元に戻すために、関係者に話を聞くことになったのだが
何故かアンソニー(春野)からの誘いも受けることになり
鹿乃の話が終わるのを待って、慧とアンソニーと合流するのだが。
着物に残された想いとは・・・
祖母が伝えなかった着物に残された想い。
実る事のない、けれど大切な思いが優しくて切なかった。
そして鹿乃を巡る慧とアンソニーの微妙な心の動きが・・・
なんか緩いさざ波が立ってきたぞ・・・
「稲妻と金平糖」
喫茶店店主の満寿から両親の話を聞かされた鹿乃。
初めはそりが合わなかった二人が結婚するきっかけになった
雷の帯が蔵にあるというので出してみると、可愛らしい帯だった。
しかし、その柄のごとく、雷が聞こえて・・・
この帯と鹿乃の両親には、どんな繋がりがあって
どうやって帯を元に戻したのか・・・
鹿乃が幼い頃に両親は亡くなった。
両親の事をほとんど覚えていない鹿乃は、両親の話を
する事に抵抗があったのだが・・・
鹿乃の幼い頃と、両親の事がわかる暖かいお話し♪
野々宮家は、昔々、陰陽道を家職としてたのかぁ~。なるほど!
「神無月のマイ・フェア・レディ」
蔵から出した枯れ菊の着物は、さまざまな菊の花が
あふれんばかりに描かれていた
持ち主の名前を知った慧は顔色が変わり、この着物の事を
調べさせてくれという。
鹿乃は独自に持ち主を調べ、慧の過去に触れてしまう。、
咲き乱れた菊の花を枯れさせる方法とは・・・
本当の意味でレディと花売りの娘の違いは、どう振る舞うか
ではなく、どう扱われるかにある・・・( -Д-) ゚Д゚)フムフム
マイフェアレディの原作のピグマリオンは、結末が違うのねぇ
なんかアンソニーの出番が増えてると心配してたら
さざ波から、いきなり高波って・・・なんちゅうことを!!
鹿乃が慧の過去を知ったことを怒りはしなかったけれど
その話を鹿乃がすることを慧は嫌がって・・・
あぁ~心がザワザワするよぉ~頼むよ慧ってばぁ~(ノ◇≦。)
「兎のおつかい」
鹿乃の曾祖父母が結納を交わしたばかり頃のお話し。
丙午の女は男を食い殺す。よって嫁の貰い手がない。
曾祖母の父は、野々宮家との縁談を早々にまとめた。
結婚を承諾した理由を知りたくて、東京から京都にやってきた
曾祖母は、橋で男とぶつかった時、蒔絵の櫛を拾った。
飛び跳ねる兎と秋草の模様の美しい櫛で、成り行きで曾祖父と
持ち主を調べることになり・・・
言葉にしないで勝手に相手の心を決めつけ思いこんでしまう
そこから生まれる釦のかけ違い。
けれど、釦をかけ違えたなら、全部外してかけ直せばいい
あぁ~なんてステキなお話なのでしょう(〃▽〃)ポッ
今作は鹿乃の曾祖父母や両親の事、そして洋館が建てられた
いきさつなんかもわかって、色々な過去が埋まっていく感じで
楽しいやら、慧やアンソニーの事で不安やらで心が忙しい。
さっさと続きを読まないとね!