沢木道楽堂怪奇録―はじまりのひとり/寺本 耕也 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:341P
発売日:2011年11月

ひとりは霊を見る男。
名は沢木隼人、なんでも屋『沢木道楽堂』を営むダメ人間。
もうひとりは霊に好かれる少女。
名を矢都雪穂、明るさが取り柄のお節介な女子高生。
ふたりの前には、今日も今日とて奇妙でおかしな出来事が……。
公衆電話からの囁き。声を聞いた少女は怪奇と出会う〈囁き〉。
腹を引き裂き自殺した妊婦。
彼女の身になにが起きたのか?〈はじまりのひとり〉。
脳を持たない霊はいかにして思考するのか。
そもそも霊とはなんなのか?〈霊に魂の不在を説く〉。
ベルクの名曲を巡る、ふたりの奏者の物語〈ある天使たちの思い出に〉。
以上四編収録。
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初めましての作家さん

Mirokuさんから頂いた本です。
↑クリックMirokuさんのレビュー

 

視える人がこの説をどう捉えるのか意見を聞いてみたい
ってことで、送ってくれたらしい。
正確には、前は視えたですがね。こっちに引っ越してからは
ほとんと視てません。年に1~2回ほどギョっとするだけです。

さて・・・
〇〇堂 奇譚 怪奇譚とくれば、mokko好みの本な訳で
不思議系の話かと思っていたら、ストレートにホラーでした。
著者が霊に対する謎を自分の考えで作品にしてみたらしい。
確かに、そう思わせる描写が散らばっておりました。

「囁き」
公衆電話で自宅に連絡を入れたら、声が聞こえた。
そこから奇怪な事が起こる。
雪穂は、友人を通して、沢木道楽堂の沢木を紹介される。
沢木は視える人ではあるが。基本、関わり合いたくない系。
しかし巻き込まれてしまう体質ということらしい。ご愁傷様。
誰かが家の玄関の前に立ち、その後、雪穂の部屋の前に立つ。
そして・・・

これは、メリーさんの怪談を連想したんだけれど、
主人公の沢木が話しているように、異常に行動が早い。
地縛霊とも思えたが、帰りたいという思いが強くて
雪穂を使ったってことでしょうか。
最後のアレを発見して、持っていくことで解決していたけど
そういう考えもありかと思います。

「はじまりのひとり」
妊婦の自殺が増えていると言われていたある日
沢木は元カノから、産休に入る直前に会社に来なくなり
行方をくらませた同僚のことを相談された。
一方、顔なじみのクリーニング屋さんの奥さんが
妊娠したと嬉しそうに沢木に語っていたのに割腹自殺をした。
違う!と何度も叫んで亡くなったらしい。
通夜の席でみかけた妖しい鳥とは・・・

これは、想定外で、妖系ホラーかと思いました。
鳥みたいなのが意味不明。こういうのが怖い。
不気味さが割り増しで怖い。その後が気になります。

「霊に魂の不在を説く」
何でも屋の沢木は、文字通り何でもやる。
先輩すら逃げ出したという自殺者の部屋の清掃を
やることになったのだが、そこにいたのは自殺者の霊
しかもよくしゃべる。ウッカリ口をきいてしまった沢木に
くっついて歩き・・・

これぞ正に考察系(^◇^;)
霊になった事が無いので、脳が無い思考というのがわからない。
が、沢木の言わんとしてることは理解できる。
深く関わったことがないので、霊の記憶についても
わからない(^◇^;)
でも、この終わり方は大好きだ♪

「ある天使たちの思い出に」
老人の後ろに黒い靄が付いて歩いているのを見てしまった雪穂。
もしや気付かれたのでは?と思い、沢木のところにいくと
沢木が預かった猫がいた。猫を拉致って自宅に戻ると
猫が何かを目で追っている。
またも沢木のところを訪ねると、これは雪穂じゃないとダメらしい。
猫の瞳に映る黒い靄に案内されていくと、あの老人がいた。
老人に黒い靄の姿格好を説明すると知っている人の様で・・・

単純に、この話は好きです。
切ないんだけど、思いを分かち合えた者同士っていうのかなぁ
そういうのがあってもいいと思いました。


女子高生と、さえない大人のコンビが霊絡みの事件を
解決するってスタンスじゃないところが面白かったです(p^_^q)

ってことで、回答になるかどうかはわからないけれど
わかる!と思ったのは、視えた時に、相手に視えたと
悟られないようにするってことでしょうか。
文中にも何度も出てきた「認知される」って事なんだけど
必死で避けてました。

関わりを持つ(認知される)と、その霊の望みを叶えないと
ずっと憑かれ続けると教わったので、それはずっと守ってました。
関わった沢木は、本人にもわかっていなかった望みを
偶然にもを叶えてましたから、何とかなったみたいだけど・・・

意思表示をしてくる霊もいます。
でも気付かないフリを必死でします。
仕事中はキッツいですよぉ~
同じ事を何度も何度も勝手にしゃべり、見せ続ける。
途中でいなくなったから助かったけど・・・

そして、絶望や渇望のスナップショット、死者が残した一部

更に、思考能力がないというのも、ある意味有りだと思うんだけど、
年数の差ってことはないだろうか?
死んでから日が浅いか、何年も経っているとか・・・

mokkoは部屋で宴会開かれた事あるからねぇ~
元々憑いていたユウちゃんと、次に住んでいた所にいた
女性が交流してくれたおかげで、離れてくれたみたいだけど。
その二人は少なくとも10年以上は経過してるはずです。
あと、話し声が煩くて、頼むから寝かせてくれって訴えたら
大人しくなったって事もあったし・・・
あれは思考してるんじゃないのかなぁ~

 

沢木は魂の存在を信じていない設定で霊魂を信じない。

信じる信じないは自由なので、そこはいいとして

個人的には道教とか陰陽道の魂魄の考え方が好きというか

納得しているので、沢木が言っている幽霊というのは

魂(精神の方の気)の方だと思うのですが・・・

沢木の言っている絶望や渇望のスナップショット、死者が残した一部

というのが、そもそも魂(こん)のことで、強い思いが残ると

成仏できないという典型的なことなんじゃないかなぁ~

 

魄(肉体の方の気)は、地に帰り、魂は天に帰るってことで、

沢木に憑いていた人も最後の描写は空からだったので、

信じていないけど、天に上るってことは疑ってないということかと・・・

そして、猫さんの行動。
おなじ事をしてる猫さんを自宅で見ました。
仕事の同僚が、飼い猫さんを連れてきてくれて
その猫さんが、霊の出てくるところから
いつも通ってるところを目線でなぞっておりました。
あぁ~視えてるんだなぁ~と思いましたよ。
その瞳に映ってるものまでは観察できなかったです。
そこまで近づいてくれる猫さんはいないです。゚(゚´Д`゚)゚。
ちなみに犬は、猛烈に吠えます。飼い犬ですら吠えます。

あと、相手のテリトリーに入ると追い出す行動に出るってのも
わかります。
相手にとっては、知らない人が勝手にやってくるんだもの
そりゃ怒りますよね。
自分の部屋に他人が入ってきて、勝手に物を触られたら怒るでしょ。
さすがに綾波は置いてないけど(○ ̄m ̄)
ここら辺は、マジで共感しました。
だから、心霊スポットと呼ばれるところには絶対に近づかない。

そして妖的なモノ・・・
女性に覆いかぶさっている砂かけ婆みたいなのを
見たことがありますが、ジっとは見ないです。怖いから。

グレー系の大きな赤ん坊系のものは、いきなりだった事と
バッチリ目が合ってしまったから、戦闘態勢を取りました。
寝てる時に飛び起きて、ダッシュする前の「位置についてぇ」
の姿勢で睨みつけただけだったけど(^◇^;)
これは、さすがに理解不能です。理解できないから怖い。
だから、あの鳥みたいなのも、理解できないから怖い。
続きがあるなら知りたいですね。

記憶に関してはわからないけど、学習しないというのは
そういう専門のブログでも書かれてました。
ただ、mokko的にラッキーだったのは、何かの現象が起きた時
割と多くの人が見てるところで起こったので、ホラ話を
してるとは思われなかった事。
逆に質問攻めには合いましたけど。今の何?って・・・
物が落ちて来て、座っている椅子ごと移動したり
肩に手形が残ってたり。
もう怖い思いはしたくないですねぇ~(^◇^;)
こんなところでどうでしょうかぁ~

 

長くなってすみません<(_ _)>