深泥丘奇談/綾辻行人 | mokkoの現実逃避ブログ

mokkoの現実逃避ブログ

現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ


ページ数:312P
発売日:2011年12月

ミステリ作家の「私」が住まう“もうひとつの京都”の裏側に潜み、
ひそかに蠢動しつづける秘密めいたものたち。
古い病室の壁に、丘の向こうの鉄路に、長びく雨の日に、
送り火の夜に…
面妖にして魅惑的な怪異の数々が「私」の(そして読者の)日常を侵蝕し、
見慣れた風景を一変させる。
『Another』の著者が贈る、無類の怪談小説集!
--------------------------

Mirokuさんのレビューを読んで購入した本です

 

「顔」
強い眩暈に襲われて、昔の病気の再発かと不安になった時
たまたまみかけた病院に行ってみたら、検査入院することになった。
深夜に妙な音が聞こえて・・・

「丘の向こう」
トンネルの方から妙な音が聞こえる。
見晴らしのいい場所では、老若男女がカメラを手にして
何かが通り過ぎるのを待っていた・・・

「長引く雨」
三週間も降り続く雨に、誰しもが不安になっていた
ここまでの長雨は40年ぶりだというのだが、町の人達の
噂話には奇妙な話が混じっていて・・・

「悪霊憑き」
言葉では発音できない悪霊に憑りつかれた女性を救うため
京極夏彦のような憑き物落としではなく、本物の霊能者による
悪霊祓いが必要という事で、巷で有名な男を招くことになり
「私」も立会人ということで参加する事になるのだが・・・

「サムザムシ」
奥歯が猛烈に痛むという私に、妻は意味不明な事を言う
普通は一生ものっていう話なんだけど・・・?
我慢できずに深泥丘の歯科に行くのだったが・・・

「開けるな」
父方の祖父の家の裏庭には小さな離れがあった。
危ないから近寄るなと言われていた離れは、祖父の死後
家土地ともに売り払われ、その後うやむやになったのだが・・・

「六山の夜」
いわゆる五山の送り火のようなものが行われるという。
噂では今年は六山の年だとか?
深泥丘病院の屋上で見学させてもらうことになったのだが・・・

「深泥丘魔術団」
深泥丘神社の秋祭りの時、病院では「奇術の夕べ」という
魔術大会が催される
魔術の手伝いに指名された私は・・・

「声」
窓の外で猿の悲鳴のような声が聞こえた
部屋の電気を消して、妻とその正体を見ようと
外を覗いていたのだが・・・


ミステリ作家の「私」が住む深泥丘という町での
奇妙で不可解な出来事を綴った短編集
色んな事を忘れているらしい私と、その奇妙な現象等を
当然のように知っているかのような妻。
深泥丘病院の同じ苗字で同じ顔の3人の医師
不可思議な現象に説明はない。
ただ、無事に乗り切った後に、その記憶があいまいになる私
なんだかスッキリしない。だから不気味さが残る。
けれど気に留めておくほどのことでもないから忘れる?
だからよけいに気持ち悪いって感じでしょうか

「悪霊憑き」を読みだした時
この世には不思議なことなど何もない・・・とは、
おそらく今この国で最も有名な古本屋の決め台詞だが・・・
という出だしと、顔に青い線を描いた悪霊憑きの女性の描写で
あれ?この話は読んでると思ったら、アンソロジーの

川に死体のある風景の中の1作品でした。

4年前に読んでたけど、覚えてるもんですねぇ
この話だけは、ちゃんと怪奇ミステリになってました(^◇^;)