川に死体のある風景/アンソロジー | mokkoの現実逃避ブログ

mokkoの現実逃避ブログ

現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

川に死体のある風景 (創元推理文庫)/大倉 崇裕
¥929 Amazon.co.jp
発行年月:2010年03月
サ イ ズ:358P 15cm

美しい川面に浮かぶ死体、そこから生まれる謎に感嘆せよ!
歌野晶午、綾辻行人、有栖川有栖など、六名の本格作家が、
川を舞台に競作したミステリアンソロジー。
----------------------
4年も積んでしまった(^◇^;)
しかも家では滅多に読書しないので、読了までに
2か月かかってしまった( ̄▽ ̄;)ゞ
まぁ~プーだし、アンソロジーをチョイスしたのは
正解だったかもしれない。


●歌野晶午「玉川上死」
「玉川上水を死体が流れている」。
110番通報を確認するため、交番から現場へ駆けつけた市田。
死体は背中に「R高校 秋山」とかかれたジャージを着ている。
川を流れていく「秋山」を自転車で追跡する市田だったが…。

スタートから話に引き込むのがうまいというか
いきなり流れを変えられて驚いたけど、犯人はすぐにわかった。
動機が何というか、イマドキっていうの?
なるほどぉ~って思っちゃいました。面白かったです。

●黒田研二「水底の連鎖」
川に車が転落したと通報を受けて捜索したところ、同じ場所から
2台の車が発見され、車にはそれぞれ遺体が・・・
見通しの良い川沿いの道なのに、何故?

これは・・・さんざん引っ張られたんだけど、
どう考えても無理というか強引というか、無いだろうって感じ。
動機というか、思い入れというか、何にせよ
度を越すとそうなるのかぁ~?って感じ。
 

●大倉崇裕「捜索者」
遭難者救出に向かった山岳救助隊と、途中で協力に加わった民間の登山者達。
ところが救助に向かう途中、山間を流れる沢に赤いジャケットが・・・
体調不良のため山小屋に残ったはずの彼がなぜ沢に転落したのだろう?
しかし二か月後に、同じ山でまた滑落遺体が見つかった。
亡くなったのは二か月前に遭難した男性で・・・
同じ山で起こった二つの事故に潜む真相とは?

初読みです。
このアンソロジーの中では、1番好き♪
これだからアンソロジーはやめられない(*´◇`*)
どうやらこの救助隊のメンバーは他の作品にも出てるらしい。
ちょっと読みたいかも♪

●佳多山大地「この世でいちばん珍しい水死人」
大学入学を間近に控えたある日。幾つもの大企業を傘下に持つ泊グループの
総帥でもある父から、僕は一度も会ったことのない伯父を探すよう命じられた。
事情も分からぬまま、南米コロンビアへ旅立ったが…。

初読みです。
数人の視点と語りで、時代も違ったりするもんだから
理解するのに苦労しましたけど、背景が重なってきたら
ちょっとドキドキしました。

●綾辻 行人「悪霊憑き」
推理小説家の「私」は自宅近くの川で女性の水死体を発見する。
彼女は※※※※※という悪霊に取り憑かれており、
先日、お払いを行ったばかりだった。
ところがその死体には一つ奇妙なところがあって・・・

この世には不思議なことなど何もない・・・とは、
おそらく今この国で最も有名な古本屋の決め台詞だが・・・


書き出しが、いきなりコレですよ(^◇^;)
即食いつきますってば!
っていうか、電車の中で思いっきりニヤケテしまった!
「私」が住んでいる地域では※※※※※という口に出してはいけない
悪霊が存在していて、駐在さんですら知っているというのが前提。
ホラーテイストな作品です。面白かったぁ~♪

●有栖川有栖「桜川のオフェーリア」
春の川に横たわる美しい少女の死体。
彼女の亡骸を囲むように浮かんだ無数の桜の花びら。
その光景は驚くほどの美しさで・・・
推理小説研究会のOB・石黒から持ち込まれた話は
9年前に水死した石黒の同級生の死に関するもので・・・

知らずに読んだとはいえ、これって江神シリーズじゃないのぉ~
しかも、月光ゲーム直後の設定みたいだし・・・
更に『女王国の城』の前日譚・・・あぁ~美味し過ぎる(*´◇`*)
真相も切なかったんだけどね・・・
あぁ~ハムレット・・・読んどけばよかったぁ~
持ってるのにぃ~(ノ◇≦。) ビェーン!!

これが一番美しい死体だったと思います。
やはり想像したのはジョン・エヴァレット・ミレイ作
『オフィーリア』でした。
0823ofi
by wiki