宝石商リチャード氏の謎鑑定 転生のタンザナイト/辻村七子 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:326P
発売日:2018年01月

将来の進路を思い悩む正義の前に、ひとりの男が現れた。
染野閑。正義の父親だ。
家庭内暴力で正義の誕生後すぐに離婚していたのだが、
金がなくなり正義を探し出して近づいてきたのだ。
何度追い払っても執拗につきまとわれた正義は、
リチャードに迷惑をかけるわけにはいかないと
「エトランジェ」を辞めようとするのだが…?
大好評ジュエル・ミステリー、第一部完結!
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シリーズ第6弾
第一部完結の文字を見て、続きが読めると小躍りしました。

「シンハライトは招く」
とある女性がスリランカの宝石店の前で、旅の土産として
珍しい石を探している時、声を掛けてきた男性が
思っていた宝石の種類とは違うものだと教えてくれて・・・
ショートショートなお話し

「さすらいのコンクパール」
エトランジェに入ろうとした正義に話しかけてきた男性は
すぐにその場を離れたのだが、最初の来客が帰った直後
直接エトランジェを訪ねてきた。
その目的とは・・・

「麗しのスピネル」
バイトのピンチヒッターを急遽やることになった正義。
簡易的な管弦楽喫茶の給仕係をやることになったのだが
そこに突然現れたリチャードは美人の女性連れで
更に、追われている?

「パライバ・トルマリンの恋」
鉱石の天使である谷本さんを店に招いてはという
リチャードの申し出で浮かれ気分で店まで案内する正義
知識のある谷本さん相手でリチャードとの会話も弾み
見せられた宝石を見て、中学の時の事件の話をする
谷本さんだったが・・・

「転生のタンザナイト」(表題作)
エトランジェで谷本さんとの楽しい時間を過ごし、
1日のバイトを終えた直後、正義に話しかけてきたのは
離婚して以来顔も合わせていなかった父親だった。
勝手な理屈を並べて正義の家に入ろうとする父親
言葉も通じない父親に対し、周りに迷惑が掛かる事を
恐れた正義は次第に追い詰めれら・・・

「シンハライトは招く」
最初のお話の続きで、旅の土産を探している女性を
自分の店に招いて宝石を見てもらうことになるのだが
その女性はリチャードを知っていた?


今回のお話は色んなシチュエーションが組まれておりまして
社会的というか政治的な話も出てくる。
「幸せ」という言葉も政治的な思惑が混じりこむと、
多くの不幸を呼ぶんだと改めて思い知りましたよ。

自分自身の一番やわらかいところにある真実のかけらを
嘘のない言葉で見てもらえるなら、それは間違いなく幸せな事だ

谷本さんがエトランジェを訪れた話はとても楽しくて
中学の事件を解決した上に、谷本さんの個人的な悩みまでも
優しく解きほぐしたリチャードを驚きを持って見つめ、
そしてエトランジェという店の名前の意味を使って
谷本さんが伝えた言葉はリチャードを驚かせたシーンが
正義と同じくとっても嬉しかった(〃▽〃)ポッ

このシリーズの好きなところは、こんな風に相手を思いやり
深く信頼し合う関係なんですよ。同性も異性も関係ないです。
でも、谷本さんが帰った後に、しょげているリチャードも新鮮。
リチャードの前でゴルゴ谷本になったらしい(○ ̄m ̄)
やっぱり谷本さんは正義の天使だぁ~о(ж>▽<)y ☆
そして鉱石の卸業者といえば、やはり御徒町なんですねぇ
個人的にちょっと懐かしかった(^◇^;)

そしていきなり辛かったのが表題作。
幸せの時間を過ごした直後の地獄!
このギャップは萌えません!吐きそうでしたよ。
通常、自宅で読書はしないのですが、一番辛いところで
タイムアップになってしまい、悪夢を見そうだったので
家でも読んじゃいました。

突然現れた正義の父親。自分に都合のいい理屈だけを並べ
何を言っても届かない、というより聞く気がない。
ある意味、リチャードとは真逆の日本語の使い手かもしれない。
案の定、大学関係者やら大家さんにまで接触していて
部屋には入れらなかったものの、住所とTELNOを知られてしまった。
狙いは住み着く家と金だというのは明白。
このままでは店にも迷惑がかかると思い、辞める決意をする正義
どんどん追い詰められ、平常心を保つのも難しくなって・・・

あぁ~苦しかったよぉ。本当に苦しかったよぉ~。
なんでリチャードに相談しないんだよぉ~と何度思ったか!
もちろん気付かないリチャードではない。
聞き出そうにも何でもないを繰り返す。
が!正義の危機に最初に気付いたのは・・・
!?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?
そこからの怒涛の展開。
頑なになっている正義の心を時間をかけて解きほぐすリチャード。
もう涙失くしては読めないです(´Д⊂グスン
そこからの感動の展開にまたも涙がぁ~

更には前作のシトリンの話とリンクしてる部分があって
(゚O゚;アッ!あの時から準備してたんだと思ったら
更に感動数値が上がりました。
この怒涛の展開部分からは、もう何度も読み返してしまいました。
久しぶりに、感動し過ぎて数日引きずりました(^◇^;)

そして最初と最後のシンハライトの話は繋がっていて
しかも、ちょっとした仕掛けが施されておりまして
mokkoは騙されましたぁ~(^◇^;)
3年前の事件の時・・・っていうと、時系列で考えると
大学卒業後ってことになるんだよね。
ちょっとだけ未来を見せてもらったことになる。
そうかそうか、そういうことになっていたのねぇ~と
(´。`;)ホッとできます(@´゚艸`)ウフウフ
ここで第1部完結っていうのも納得できるきれいな締め方です。

あぁ~2部が待ち遠しいよぉ~と思っていたら予告が!
宝石商リチャード氏の謎鑑定 紅宝石の女王と裏切りの海
6/21発刊ってことね・・・
これは・・・
まとめ読みしたいから、しばらく待つことになるのか?
いや・・・でも・・・どうしよう・・・
あぁ~困るのよぉ~アワワ ヽ(□ ̄ヽ))...((ノ ̄□)ノ アワワ