宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット/辻村七子 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:302P
発売日:2017年08月

リチャードが抱えていたトラブルも一段落し、
帰国した正義とリチャード。
正義は大学三年生となり、周囲ではそろそろ就職活動が
本格化し始めていた。
そんなある日、銀座のエトランジェを常連客の乙村が訪れた。
乙村は、片想いしていた女性からもらったという
桜色のカメオをリチャードと正義に見せる。
そして、そのカメオの謎を解いてみないか、と言い出して……? 
ジュエリー・ミステリ第5弾!
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シリーズ第5弾

「挑むシトリン」
大学3年になった正義。就活の準備が始まる期間である。
一緒に就活説明会に出た友人が突然、スペインに行くことになり
駅まで荷物運びを手伝うことになった。
友人を見送った直後、京都弁の女性の荷物持ちをする羽目になり
お礼にお茶をごちそうになったのだが・・・

「サードニクスの横顔」
エトランジェの常連である画家の乙村さんが来店した。
カメオを見せてもらいながら、正義にカメオのレクチャーを
してくれたのだが、乙村さんが持ってきた貰い物のカメオの
謎解きをすることになって・・・

「ジルコンの尊厳」
エトランジェでシャウルさんが話してくれたリチャードの話。
伯爵家の相続に係わる呪いが発動し、標的となったのは
末弟のように扱われていたリチャードだった。
傷ついてボロボロになったリチャードがシャウルさんに拾われ、
顔を半分焼かれたモニカと出会い、宝石商となるまでの話

「祝福のペリドット」(表題作)
偶然出会ったご婦人がロンドンにいたことがあるという話から
リチャードと繋がりがあるのでは?と思った正義だったが
ご婦人から口留めされた事で確信に。
口で言うわけにいかない正義の行動に気付いたリチャードは・・・
リチャードが小さい頃に起こった事件を交えたお話しと
穂村さんの結婚・・・

「聖夜のアンダリュサイト」
クリスマスイヴのエトランジェは大忙し。
甘味大王に 焼き鳥を差し入れしたくなりそうなほどに。
そんな忙しい時間の隙間の思いやりに溢れたお話し。


今作はリチャードに纏わる色んなお話しという感じでした。
最初のシトリンの話に出てきた京都弁の女性は
リチャードが信頼している仕事仲間でありシャウルさんとも
関わりのある人で、次作に関係しているシチュエーションが
あるので、覚えておくと「あぁ~!」となりますよ♪

リチャードが死のうと思ったほどに辛かったという
伯爵家の相続騒動の話は、読んでいて痛すぎました。
一応の解決が前作でされているからいいようなものの
時系列で読まされたら苦し過ぎましたよ。
ただ、リチャードと正義って似てるところがあるんだと
その無謀な行動で知ることが出来ました。
やることが極端過ぎるというところが特に・・・(^◇^;)

それでもシャウルさんが語るリチャードの弱み?
「起きられない宝石商見習い指導・一般編」
「起きられない宝石商見習い・冷水編」
「宝石商、ロイヤルミルクティーの飲み過ぎで体を壊す」
「宝石商、香港マフィアと抗争のち和解」などの
様々なネタを早く聞いてみたいですо(ж>▽<)y ☆

「日本人の優しさは責任をとらなくて済む範囲の優しさだって。
挨拶みたいにごめんなさいって言っても、たいしてすまないとは
思ってないっていうし・・・」
海外からはそういう風に見てる人もいるんだなぁ~と
思ったりもしたんだけど、正直ドキッとしました。

そして信頼している人からのエールというのは心強い。
「もっとうぬぼれていなさい、中田正義。
根拠のない弱気は、根拠のない自信と同じく厄介なものです。
少なくともあなたの成功を信じている人間が、ここに
一人いるのですから」
こんなこと言われたら、俄然やる気になるでしょ~

今回も優しさと気付きの時間を過ごせました。
リチャードを幼い表情に変えてしまえる智恵子はスゴイ。
こうして繋がりがまた増えていくというのも楽しいです。
日本人でもそうそう耳にしたことのない美しい日本語を
普通に話すリチャードの姿勢がいいなぁ~(〃▽〃)ポッ