バチカン奇跡調査官 黒の学院/藤木稟 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:509P
発売日:2010年12月

天才科学者の平賀と、古文書・暗号解読のエキスパート、ロベルト。
2人は良き相棒にして、バチカン所属の『奇跡調査官』
世界中の奇跡の真偽を調査し判別する、秘密調査官だ。
修道院と、併設する良家の子息ばかりを集めた寄宿学校でおきた
『奇跡』の調査のため、現地に飛んだ2人。
聖痕を浮かべる生徒や涙を流すマリア像など不思議な現象が
2人を襲うが、さらに奇怪な連続殺人が発生し―。
天才神父コンビの事件簿、開幕。
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二度目ましての作家さん。
 朱雀十五シリーズの2作目ハーメルンに哭く笛を読んで
気に入ってたのに、続き(1作目も)を購入していなかったぁ~
 
このシリーズは前から気になっていたのですよ。
奇跡調査っていうだけでワクワクするでしょ♪
ただ、この奇跡調査をさせてるのがバチカンで
やたらと宗教色の強い作品は苦手だし、
躊躇してたんだけど、これは当たりでした。
3冊まとめて購入していてよかったぁ~(^◇^;)
ここでミスったら、2冊は間違いなく読んでない(○ ̄m ̄)
 
これ、好き嫌いが分かれると思います。
シリーズ1作目だから、登場人物の立場や説明が入って
更に、神や悪魔の蘊蓄とかも入ってくるので
ページ数的にも多めです。
ただ、学校の中の生徒達の状況説明をするために
無神論者の転校生が、客観的に生徒たちを描写してるし、
調査官でさえ、宗教に心酔している訳ではないので
偏った内容とは言えないと思います。
 
mokko的には、宗教的な建築物や美術品等の描写が好きで
アン・ライスさんのゴシックホラーを連想させるような
雰囲気がたまりませんでした。
あぁ~いう建築物ってお日様の下と、闇や蝋燭の火の下では
見え方が極端に違うでしょ。
妄想好きには細かい描写が欠かせないのですよ。
 
さて、メインキャラは、天才科学者の平賀と、
古文書・暗号解読のエキスパート、ロベルトの二人。
今回はカバーイラストの平賀の出番が多いです。
もちろん、二人とも違った魅力の美形となってます(o^o^o)
 
平賀は天才科学者というだけあって、気になることがあると
それに没頭してしまい、他の事に関してはズボラです。
ロベルトは、そんな平賀の理解者であって、古書大好きで
清潔で家の中も整然としています。
 
そんな二人に奇跡調査の依頼が入ります。
処女懐妊の真偽を見極めろというもの。
修道院と併設された寄宿学校に向かいますが
学校の手前の墓地で、死体発見現場に行き当たります。
状況から何らかのミサが開かれたようで、被害者は
これから向かう修道院の神父だった。
赴任当日の殺人事件。これには何かの思惑が?
更に、聖痕を浮かべる生徒や涙を流すマリア像
そして、連続する神父殺人は最初の事件と同じ痕跡が・・・
何かが動き始めている。
 
司祭様の自室の隣の鍵のかかった校長室。
一度は悪魔と契約しながらも寸前で思いとどまり
亡き後も慕われ続けている元司祭。
生徒の中でも特に信頼されているマリオに表れる
聖痕現象(スティグマータ)
壁に残された血で書かれたルーン文字の十字架
入院中の処女懐妊の女性。
 
闇から出てこようとしているものは
とんでもないものだったぁ~ヽ(゚Д゚;)ノ!!
いやぁ~そこまでは想像してなかったので
そっちですかぁ~って小躍りしてしまいました。
最後の方は、ちょっとバタバタと片付けた感じだけど
絶体絶命の場面で、平賀神父の使ったトリック?がステキ♪
すぐに想像できたけど、事前に準備してるなんて、
さすが科学者!
 
本作は、蘊蓄や建築物の細かい描写が好きで
オカルト系ラノベ好きにはいいかと思います。
1作目は厚いですが、他の2冊はそうでもないので
これを楽しく読めたら次も大丈夫でしょう。
ただ、早い解決が好みの人にはお勧めできないかもです。
さぁ~一気に3作読んじゃいますよぉ~♪
 
余談ですが、スイス傭兵(スイス衛兵隊)の制服は
ミケランジェロのデザインと書かれていて
w(゚o゚)w オオー!と思って調べたのだが、いまから90年ほど前、
ジュル・レポンド衛兵によって考案されたものらしい。
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