骨董屋探偵の事件簿/サックス・ローマー | mokkoの現実逃避ブログ

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骨董屋探偵の事件簿 (創元推理文庫)/サックス・ローマー
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訳  者:近藤麻里子
発行年月:2013年05月
サ イ ズ:333P 15cm

メンジーズ博物館の怪事件で顔を合わせて以来、わたしは
モリス・クロウの捜査手法をつぶさに見てきた。
事件は彼の持論をなぞるように起こり、また現場から
犯罪の意図を読み取る術に長けているがゆえに、
クロウは捜査官の手に余る難件をもたちどころに解決する。
そのおかげでグリムズビー警部補は出世街道まっしぐら、
今日もクロウへの橋渡しを頼みにわたしを訪ねてきたが…。
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タイトルからして、骨董屋の主人が事件を解決する。
主人公は、骨董屋の怪しい身なりの主人モリス・クロウと、
助手の超絶美形の娘なんだけど、捜査?方法がユニーク。
いや・・・オカルティック。
犯罪現場で眠る事で、そこに残る思念を夢として視る。
しかも枕持参である。(枕は娘が持ってくるんだけど)
そしてそれを元に犯人を犯人を炙り出す。

犯人を逮捕するのはムロン、警察の仕事である。
グリムズビー警部補も、モリス・クロウの不思議な力を
信頼しているおかげで、出世してるというすごさ(○ ̄m ̄)
骨董屋というくらいだから、骨董に関わる物やら
幽霊屋敷なんかも出てきて、その解説が面白い。

そしてクロウの持論は、あらゆる犯罪は周期的に起こり
犯罪の歴史は繰り返すのであり、あらゆる貴重な遺物には
それを巡る犯罪の歴史があるってことらしい。

儀式的なものなんかもあって、その後どうなるか
教えない!ってのもあって、その先が知りたくて
悶絶しそうになったりってのもあったんだけど
骨董品の由来来歴や、受け継がれる伝説なんかも
披露してくれて、本当かどうかは別として面白い。
本作で扱っているものも、警察が乗り出すような事件と
事件とはいえないようなオカルティックなものもあったりする。

中でも((o(^∇^)o))わくわくして読んだのは
「頭のないミイラ」
エジプトでイシスが信仰していたという神と儀式。
これって、アン・ライスのヴァンパイアクロニクルスでも
パンドラの話の中に出てくる。
ちょっと齧った話が出てくると嬉しかったりする。

表紙からは、いかにもステキな骨董店のように描かれているけど
ロンドンの貧困区域にある骨董店でしかもネズミがいる。
ってことで清潔からは、程遠い店だけど、主人に来客を伝える
オウムが楽しい。
悪魔がお前を迎えに来たよって・・・
客は悪魔か!(^◇^;)

それでも骨董品などが関連する怪事件ではあっても
そのカラクリやトリックがわかると納得する。
確かに、怪事件になるわなぁ~
短編集なんだけど、ホームズみたいな感じで
語り手:サールズがモリス・クロウの解決した事件を
記録しているって設定になってます。
結構楽しめました。

「ギリシャの間の悲劇」
「アヌビスの陶片」
「十字軍の斧」
「象牙の彫像」
「ブルー・ラージャ」
「囁くポプラ」
「ト短調の和音」
「頭のないミイラ」
「グレンジ館の呪い」
「イシスのヴェール」


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