
発行年月:2001年08月
サイズ:292P 15cm
失脚した父王とともに、小さな別荘に幽閉されている盲目の姫君・レイア。
優しい父と侍女のダフネ、そして父が語り聞かせてくれる美しい物語だけが、
レイアの世界の全てだった。
シルクのドレスや季節ごとの花々に囲まれた、満ち足りた毎日。
しかしレイアが成長するにつれて、完璧だったはずの世界が
少しずつ歪んでゆく―。
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初めましての作家さんです。
これも随分と積んでいたんですけどね
気分が幻想系を求めていたので積読本消化という意味で
手にとってみたんだけど、予想外でした。
良い意味でですよ。
小さな別荘に失脚した父王と一緒に幽閉されている盲目のレイア姫。
この部分だけでも、幻想というよりは甘目のファンタジーか?と思う
とんでもない!
最初の部分で、妄想的には白雪姫系の世界を想像していた(・x・ ).o0○
物語はレイア姫目線で語られている。
小さな別荘の2Fの寝室と居間だけがレイアが動けるスペース。
1Fには兵士がいるから、降りてはいけない。
盲目の人は魔女とみなされ、殺されてしまうという。
侍女のダフネは、父がいないときにはレイアに冷たくあたる。
「死ねばいいのに!」と言いながら、時には手をあげる。
父は時に国のはずれまで行かなければいけない。
暴動が起こらないようにしなければいけない
その間、レイアは一人になってしまう。
でも父が与えてくれた物語のテープを聴いて寂しさを埋める
(; ̄ー ̄)...ン?テープ?
白雪姫の世界ではないのね・・・
妄想の世界を白雪姫系から、アルプスの少女ハイジの
ゼーゼマン家に変更してみる(^◇^;)
レイアが成長するにつれ、テープの物語は世界の童話から
文学小説にかわり、哲学的な話もするようになる。
けれど盲目のレイアにとって絵画の美しさを知ることはできない。
3歳の時に失明して、それから9年間は暗闇の中だったけど
それでも父といるだけでレイアは幸せだった。
ところが、後半から世界はがらりとかわります。
( ° ▽ ° ;) エッ?
エエエエェェェェェ ヽ(゚Д゚;)ノ゛ェェェェエエエエ
ネタバレになるので、これ以上は書けない。
突然襲い掛かる混乱の嵐。
ミステリ的にいうのなら、少しずつ伏線を拾い集め
いろんなことが繋がっていく。
前半との対比がお見事です。
そして最後に待っているのは混沌だと思う。
いや・・・恐怖か?
全ての仕組みがわかった時の恐怖と言ったら・・・
これは第三者目線での恐怖なんだけどね。
闇と光の意味を改めて考えてしまいましたよ。
でも面白かったぁ