
発行年月:2010年10月
サ イ ズ:173P 15cm
15歳の「私」の主人は、数百年に1度といわれる呪詛の才を持つ、
驕慢な美少女。
「お前が私の玩具になれ。死ぬまで私を楽しませろ」
親殺しの噂もあるその少女は、彼のひとがたに釘を打ち、
あらゆる呪詛を用いて、少年を玩具のように扱うが…!?
死をこえてなお「私」を縛りつけるものとは―。
哀切な痛みに満ちた、珠玉の2編を収録。
瑞々しい感性がえがきだす、死と少女たちの物語。
第17回日本ホラー小説大賞短編賞受賞。
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初めましての作家さん。
mirokuさんのレビューを読んで購入しました。
ホラー小説大賞短編賞受賞とあるけど
怖くないです。
「chocolate blood,biscuit heart」
莫大な財を持つ父の後継者として、帝王学を学び、生活の全てを
システム化され、監視されて育った姉弟。
一度は逃走を図るものの、それすらも監視下の元での
単なる抵抗に過ぎなかった。
やがて父が亡くなり、自由になれると思っていたのだが
父は二人の未来までプログラムしていた・・・
前に読んだのが、閉塞的な環境で生きることを強いられた
盲目のお姫様の話だったので、またも閉塞的な作品を
チョイスしてしまったとウンザリしてしまった(^◇^;)
近未来的なお話のようだけど、閉塞的な環境というのは
わかったものの、短編としては色々と詰め込みすぎて
姉弟の苦悩が十分に伝わらずに物足りなさが残りました。
最後も好きじゃないなぁ~
ちょっと安易なんじゃないのかな?
「少女禁区」表題作
「私」の主人である少女は、数百年に1度といわれる
呪詛の才を持つ美少女であり、親殺しの噂もある。
脅されて少女の玩具になることを約束したものの
玩具=呪詛の実験台であり、容赦の無さは鬼である。
村の祭りでは守り神に生贄を差し出さなければいけない
ある年の祭りを見に行った帰り、生贄になる者が
姿をくらまして・・・?
これはやられました。
全くもって予想もしてませんでした。
まるで猫がネズミをもてあそぶ様に残酷な実験を試み
恐怖と痛みを刻み付ける少女
少女の母が語って聞かせたという双頭の蛇の話
アチラとコチラの世界
呪詛と因襲という昔あったであろう的なダークな話なのに、
読んでるだけで痛いのに、その痛みがまさか!
少女の執念もすごいけど、「私」もスゴイ。
こういうのは初めてです。
楽しませていただきましたぁ~о(ж>▽<)y ☆