
344P 16cm
いつも他人のものばかり欲しがる幼なじみに
悩まされ続けたOLが、最後に打った手は……?
恋にも仕事にも疲れ果てた女性が、地下鉄で見かけた
華やかなビジネスウーマンの後をつけ、
見てしまった“素顔”とは……?
天使なんかじゃない、等身大の女性たちが、
ふとしたことから事件に巻き込まれ、
意外な人間性の断面をのぞかせる。
鮮やかな描写が心を抉る9つの物語。
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初めての作家さんです。
タイトル買いです(○ ̄m ̄)
和歌山の読書家天使の恵さんを意識して
天使がタイトルに入っている本をさがしたら
衝撃的なタイトルを発見したので読んでみた(^◇^;)
「別れてほしい」
沙貴は昔から美紀子のものばかり欲しがった。
強いて言えば彼氏を欲しがった。
気が付くと美紀子の彼氏は沙貴のものになっていた。
昔から繰り返されてきたことなのに・・・
そして沙貴に誘われたゴスペルのコンサートに
美紀子は彼氏を連れて行くのだが・・・
人の男を欲しがる女っているんだよねぇ~
正確には、人の男に惚れたからじゃなくて
人の男を奪うことに快感を覚えるタイプ
この結末は予想できなかったぁ~
っていうか、女って怖い。
いや・・・
大人の女なら、これくらいしたたかにいたいものだわ
mokkoには無理だけど・・・(-。-;)
「耳たぶ」
食品会社で新製品の開発をしていた夫が
遊歩道から落ちて浅瀬の川で溺れて死んだ。
事故の状況に不審があって自分でいろいろ調べてみると
夫がアシスタントの女性を連れて色々なイタリアンレストランで
マーケティングのための食事をしていたことがわかり
更に、その女性は夫からのセクハラで会社を辞めていたらしい。
これは展開が読めませんでした。
タイトルの耳たぶも意味が分からなかったけど
読んでるうちに、そういうことかと納得。
しかし・・・それをセクハラと言っていいのか?と
ちょっと思ってみたり・・・(^◇^;)
そりゃ同情はするけどさぁ~
「十三月」
愛三生命保険のセールスレディとしてトップクラスの
営業成績を誇っていた奈津が、ホテルで遺体で発見された。
見つけたのは、顧客でもある波倉商事の社員
後輩の恵理は、奈津がどうして死ななくてはいけなかったのか
調べることにしたのだが・・・
これは保険会社での契約に関してのことが
わかるお話でした。
そんなルールがあるなんて知らなかったわぁ~
嫉妬って怖いわぁ~
「レター」
昼食をとりに入った喫茶店で、たまたま隣に座った女性と
挨拶程度の会話を交わした萌。
その女性が落としていった投函前の手紙の宛名には
萌が2年前まで付き合っていた男の名前が書いてあった。
男は東京の病院で働けるチャンスだからと萌に別れを告げ
その病院の助教授の娘と結婚した。
あの女性と男の関係が気になり、住所から家を探し当てるのだが・・・
これも展開が読めなかったぁ~
いい意味で裏切られました。
「銀の墨」
女ものの扇子に和歌を書いて欲しいと美葉ところに来た
和菓子屋のご隠居が殺された。
美葉はご隠居の事を調べているうちに
女ものの扇子だったのだから、扇子を受け取ったのは
女だと確信。調べ始めるのだが・・・
これも犯人の目星がぜんぜんつかなかったぁ~
っていうかミステリではないのよね(^◇^;)
サスペンスになるのか?
こういう犯人って、実際いるし・・・
最近、特に多いような・・・
「マリーゴールド」
亜由美には変な癖がある。
人の後をつけて外の顔と実際の姿とを見比べて
勝手に納得してしまうという人には言えない癖。
倉骨商事の御曹司から別れ話を切り出された夜
電車の中で見かけたキャリアウーマンの後をつけた。
亜由美の予想に反して、家は古く子供も三人いて
どうみてもオカッチャンだった。
それでも幸せそうな姿を見て、亜由美は羨ましいと思った。
しかし、その家が放火されたというニュースを目にして・・・
これは何となく予想がついたけど
決定的な証拠に思い至ったのは、変な癖とはいえ
よく観察してたからでしょうか(^◇^;)
でも最後が爽やかでいいなぁ~♪
「プレゼント」
フライトアテンダントとして働く麻子は、つい同業の堀の財布から
クレジットカードを盗み、欲しかったブランドモノのブラウスを購入した。
更にカードと一緒に入っていたメモに書かれた電話番号に
掛けてみるとホテルに繋がった。
そのホテルに行くことにした麻子だが・・・
いやぁ~これは「別れてほしい」の逆バージョン?
あくまでも主人公目線でだけど・・・
これは大人の女というよりは、賢い男を彼に持つと
イザという時に助かるってことだわねぇ~
「落花」
若手画家の個展で見かけた絵に惹かれ、作者である陵と出会い
付き合うことになった志保子。
自宅でピアノを教えながら、陵に創作活動に専念してもらうため
生活費や旅費の面倒もみていたのだが・・・
芸術家なるものは、少なからずそうでしょう
予想通りの展開でした。
しかしタイトルから内容を連想するのが難しいというか
結末を知ったら、なるほどと思ったりも・・・
言葉遊びか?
「振り返りもしない」
月子の出した衝撃的な写真集は予想外に女性に受けた。
クレームも多かったが、メディアにも取り上げられ
更に、大学時代の恋人である捷とも再会できた。
しかし再会は仕事の依頼だった。
月子は平凡で退屈な旦那と、写真家を目指す息子と
そこそこの生活をしていた。
ところがある日、警察が自宅を訪れ、捷の妻が自宅で襲われ、
意識不明の重体であると告げる・・・
本作の中で一番長いお話です。
これも結末を予想できなかった。
月子の思い、母の思い、妻の思い、それぞれの女の思い。
息子の思い、旦那の思い・・・
ちょっと捻れると事件になるのだなぁ~と・・・
どれもが女性主人公の話ではあるけれど
等身大の女とか、意外な人間性とか
そんな普通の言葉で語れない話もあったぞ・・・
女の念というのでしょうか?
それも怖い方の念ですね。
「レター」だけは別物って感じでホッとしたけど
「別れてほしい」の主人公が怖すぎ!
強かというレベルを超えている。
キツネを連想しましたよ。
尻尾が9つあるキツネね・・・
してやったりと思ったのも事実だけど・・・(^◇^;)
( ̄O ̄;アッ!
天使はいますよ。ちゃんとね♪
読書家の天使が和歌山にね♪
読書家さんには色々いますからねぇ~
菩薩のふりをした河童さんもいますからねぇ~
mokkoは・・・
なんせキャベツから生まれてますからね(^◇^;)
テーマ読みは、あと1冊読んでから始めます。
優先順位がね・・・(^◇^;)