ミイ子「ねえマリカ、最近ほんと家でどっと疲れるのよ。職場でさ、もう完全に“ピエロ”と化してるの。みんながピリピリしてる時に、冗談言ったり、最終手段は変顔で空気をなだめて回る。で、家に帰る頃には魂がスカスカ。」
マリカ「なるほど、あなたの職場には笑顔係という非公式ポジションがあるのね。給料明細にムードメーカー手当でもついてるの?」
ミイ子「そんなの、あったら逆にやりがい出ちゃうじゃん。でもさ、みんなが不機嫌そうだと居ても立ってもいられない。沈黙とか気まずさとか、あの空気が我慢できなくて。」
マリカ「つまり、他人の感情の気象予報士を勝手にやってるのね。『本日、上司はやや曇り。部長の機嫌は強風注意報』って感じ?」
ミイ子「そうそう!私の脳内に気象庁があるの。で、みんなの顔色をスキャンして、予報を出して、対策を練って、はい、スマイル発動。」
マリカ「便利だけど、天気予報士が自分の天気を無視してどうするのよ。あなたの心、常に低気圧じゃない?」
ミイ子「最近まさにそこに気づいたのよ。誰かの機嫌を取ってる間に、自分の気持ちがどっか行っちゃうの。気づいたら『今、私、何がしたかったんだっけ?』ってなってる。」
マリカ「よくある症状ね。他人快適症候群。主な原因は、過剰な優しさと、断れない気質。副作用に、慢性的な疲労と自己喪失。」
ミイ子「医者みたいに言わないでよ。でも断れないのも当たってる…。前も言ったけど、断ると悪人みたいに思われる気がして。」
マリカ「いい人って、誰の採点なのよ。あなた、知らないうちに全人類採点システムの審査に通ろうとしてるのよ。合格してもなんの特典もないのに。」
ミイ子「え、せめてトロフィーとかもらえないの?」
マリカ「ないわね。せいぜい都合のいい人の名誉称号ぐらい。」
ミイ子「ひどい。でも図星すぎて笑える。」
マリカ「断るってね、ただ『嫌です』って言うことじゃないの。『私はこれを大事にしたい』って示すことでもあるのよ。相手に罪悪感を感じるのは自然だけど、それって好転反応みたいなもの。」
ミイ子「じゃあ、私が誰かをがっかりさせた時のあの心の痛みは、治療の副作用ってこと?」
マリカ「そう。自分の心の骨を正しい位置に戻してるからちょっと痛いけど、ずれたたままにしておくよりずっといい。」
ミイ子「そうか。じゃあ、私は明日からピエロの仮面をロッカーに置いて出勤します。もし空気が重かったら、無言でコーヒー飲んで耐えてみる。」
マリカ「それでいいのよ。世界は、あなたの無言を勝手に埋めようとするから。あなたが沈黙を怖がらなければ、沈黙も心地よくなるわ。」
ミイ子「でも…一応、変顔の練習は残しておこうかな。いざという時の備えに。」
マリカ「非常時の道化ね。いいんじゃない?でも使いすぎ注意よ。道化役の副作用は虚しさだから。」
ミイ子「わかった。非常時のみ使うようにする!」
人を喜ばせすぎてしまう傾向から抜け出すために役立つ7つのヒント
1. 境界線を引く練習をする
いつも他人の希望に合わせるのではなく、「自分は何を望み、何を大切にしているのか」を考え、きちんと自分の意思を表現してみましょう。
2. 拒絶や見捨てられることへの恐れを和らげる
もし人を喜ばせようとする背景にトラウマや愛着の問題があるのであれば、専門家に相談してみるのがおすすめです。
3. つらい感情と安全に向き合う練習をする
他人の感情をなだめようとしたり、自分の不快な気持ちを避けようとするクセは、必ずしも良い方向には働きません。人生にはさまざまな感情があるもの。苦しい瞬間を受け止められるようになると、自分にとって大切なことをあきらめずにいられるようになります。
4. 自分の気持ちや要望を言葉にする
他人はあなたの心を読めません。伝えなければ伝わらないのです。これは、他人を優先しがちな人にとって大きなチャレンジかもしれませんが、あなたにも他の誰と同じように、自分の要望を伝える権利があります。
5. 心からやりたいことをする
誰かの役に立つことも悪くはありませんが、「無理かも」、「やりたくない」と感じるときは、断ることも、同じように大切です。
6. 自分を苦しめることには「ノー」と言う練習をする
他人を喜ばせたり場を保つために、自分にとって無理のあることまで引き受けてしまうと、いずれは疲れや不満が溜まります。
7. 他人をがっかりさせることを恐れない
誰かを失望させることを避けたくて、無理に合わせてしまうことがあります。けれど、自分の境界線をはみ出ないようにする過程では、多少の罪悪感を感じるのは自然なこと。それでも、「相手を傷つけたいからではなく、自分を大切にするため」と意識できれば、相手の落胆も受け入れやすくなります。
