不安ミイ子「マリカ……聞いて。今日、私、如月さんの仮面の下を見てしまったの!」

 

真顔マリカ「…またそうやって人の本性を発見するの、趣味にしてるの?」

 

不安ミイ子「違うってば。今回はガチ。リアル。ドキュメンタリー。ノンフィクション。朝ドラなら3話分くらいの衝撃だった!」

 

真顔マリカ「で、如月さんって、あの仕事できすぎてロボ説出てる人よね?」

 

不安ミイ子「そう!いつもキリッとしてて、スーツもシワひとつなくて、タイピングの音まで優秀そうで…その人が、会議室で一人になった瞬間、机に突っ伏して『もう無理…。ざけんな!』って言ってたの!」

 

真顔マリカ「それは…ちょっとした事件ね。」

 

不安ミイ子「ちょっとどころじゃないよ!まさか如月さんが人間だったとは…。なんか、目撃しちゃいけない種類の秘密を見ちゃった気分…。」

 

真顔マリカ「きっと彼女も完璧な上司役の衣装が重すぎたのよ。演じすぎて肩こりどころか、魂コリ起こしてたんじゃない?」

 

真顔ミイ子「え、魂も凝るの?」

 

真顔マリカ「あるわよ。放っておくと、心の可動域が狭くなる。」

 

ひらめきミイ子「それ、ヨガの先生が言いそうなやつ。」

 

真顔マリカ「心も体も、硬くなるのはあっという間。で、あなたはどうなのよ。自分の仮面、ズレてない?」

 

ニコニコミイ子「ズレどころか、ガムテで貼ってる。動くたびにバリバリ音立てるもん。」

 

真顔マリカ「それ、仮面というよりDIYよ。」

 

知らんぷりミイ子「ほんとはね、職場でもオカルト好きで陰キャな自分を見せたい時あるんだけど…、すっかり、能天気な天真爛漫キャラになっちゃって、気づいたら職場のムードメーカーの役割してる。」

 

ニヒヒマリカ「そして家に帰ると、ホラー系ドラマ一気見して、『エグいけど最高……!』とか言いながら、一日分の闇を堪能してるんでしょ?」

 

真顔ミイ子「え、なんで知ってんの?」

 

ニヒヒマリカ「人類あるある。」

 

真顔ミイ子「でもさ、みんなそれなりに仮面かぶってるって思うと、ちょっと安心する。私も『本当の自分を見せたら嫌われるかも』って思いすぎて、誰かと話すときも自動で“社交用バージョン”に切り替わっちゃうからさ。」

 

真顔マリカ「量産型・好かれたい自分ね。分かる。でも、仮面って長時間着けてると、蒸れるのよ。放っとくと、心にあせもができるわよ。」

 

知らんぷりミイ子「それ、地味にいやだなぁ。」

 

ニヤニヤマリカ「でもね、面白いのよ。みんな隠してるつもりだけど、仮面の縁からちょこちょこ本当の顔が見えてたりするのよね。だから、完全に隠しきれてる人なんて、ほとんどいない。」

 

ニコニコミイ子「如月さんすら隠しきれなかったもんね。彼女の“もう無理。ざけんな!”聞いたとき、なんか…ある意味ホッとした。『ああ、私と同じ人間だったんだ』って。」

 

ニヤニヤマリカ「その瞬間、あなたの心の仮面も少しズレたのよ。ズレると、呼吸がしやすくなるでしょ?」

 

ひらめきミイ子「わかる気がする!如月さんの本当の姿を見たら、『私も本性出していいのかな?』って気持ちになったもん。」

 

ニヤニヤマリカ「つまり、自分が本当の自分を出すことは、誰かの仮面をそっと緩めるきっかけにもなるってことよ。」

 

ひらめきミイ子「え、それってちょっと良い話じゃん。私もちょっとずつ仮面外してこっかな。陰キャなムードメーカー、多面OLの方が、長生きしそう。」

 

ニヤニヤマリカ「それ、正解。仮面より、表情で勝負しましょう。それに、仮面の下からオカルト臭が漏れ出すのも時間の問題よ。」

 

ニコニコミイ子「じゃあもう開き直るしかないね。今度の飲み、2次会で呪いの演歌でも歌うか。」

 

 

ずっと仮面をかぶって生きていると、心が疲れてしまいます。でも、素の自分を見せたいと思っているのは、みんな同じ。

誰かが本当の自分を出す姿を見ると、「自分も少しずつ素を出していいのかも」と感じられるようになります。

人は、基本的に自分に善意を持っている。自分をさらけ出すための大切な一歩は、こう信じることです。人と接する時は、「この人は自分の味方」と信じる気持ちを持てば、自分にも「本当の自分でいていい」と思えるようになります。

たとえ裏切られることがあっても、それは相手の問題。信じることを選んだほうが、心は楽になります。

そしてその信頼感の中でこそ、自分自身に「本当の姿をさらけ出してもいい」という許可を与えることができるのです。

そうすれば、無理に役割を演じたり仮面をかぶる必要もなくなり、私たちはより自由に、より自然体で、生き生きと日々を過ごせるようになるでしょう。