従来、愚人・悪人もしくは尋常人を救済する教えは種々あれど、国家もしくは社会において、第一流の地位にある人々を開発しもしくは救済する教えは極めて稀 《ま》れであります。
故に現代社会に地位の高き御方々もしくは富める御方々に対しては、学者も、教育家も、宗教家も、これに向かって新たなる生活の方法を 授け得るものがないのであります。
今回の最高道徳は、いかに現代において人格の高いといわるる人にても、いかなる深遠な学力を有する人にても、いかに偉大 な事業を成し遂げた人にても、これに対して新たにその人の精神を開発しもしくは救済することが出来るのであります〈第一巻第十五章第十七項参照〉。
広池千九郎WEBSITE格言の間より