既述のごとく、道徳に動機と目的とを尊ぶことは従来すでに決定しておる問題であれど道徳実行の方法に重きを置かなかったために、道徳実行の結果が好良で ないことが多かったのであります。
ことに従来の道徳説にては、目的のために手段を択《えら》ばずというようなことを申しておりましたので、甚だ誤っておる ことが多かったのであります。
いま、最高道徳は動機及び目的が至誠であるのみならず、その平素の精神作用も方法もまた至誠を尽くし且つ完全を期して道徳実 行の結果を好良ならしむるのであります。
広池千九郎WEBSITE格言の間より