従来の道徳とか信仰とかいうものは、ただ、知的に道徳もしくは信仰の話を知って、これを他人に対して説いて聴かせるのが主であったのです。
ことに信仰と いえば、ただ礼拝・祈祷《きとう》もしくは説教が主となっておるので、自らその道徳を実行するということが乏しかったのであります。
今回の最高道徳は、た だ、知的にその原理を知るとか、空《むな》しくこれを他人に説明するとかいうだけでなくして、これを聴くと同時に、幾分にても直ちに自らこれを実行すると いうことになっておるのであります。
広池千九郎WEBSITE格言の間より