苦悶の中に自暴自棄せず | 格言とその意味

格言とその意味

廣池千九郎先生の格言とその意味をUPしていきます。


 古の人は、人間一代の生活を旅行にたとえてあります。
すなわち旅行の途 中に、海あり、山あり、河あり、谷あり、橋なき所あり、荊棘(けいきょく)の茂れる所あるごとく、人生の途中にも種々の困難があるのです。
故にいかなる賢 人にても、善人にても、種々の苦労をなさねば、その目的を達することは出来ぬのであります。
されば、今日何人(なんぴと)にてもこの困難に遭遇して、ある いは不平を懐き、あるいは上に立つ人に反抗し、あるいは自暴自棄に陥るということは愚かなことであります。
且つ現代科学の研究の結果によれば、各自の運命 はその大部分はその各自の自ら造りしところであって、その他の外部から来た原因にても、その責任は自己にて負わねばならぬというのでありますから、自己の 境遇の不満足に対して自暴自棄するということはいよいよ愚かであります。故に最高道徳にてはこの原理を開示し、併せてかかる人々の前途を指導し、もって世 に不平・反抗もしくは自暴自棄の人のないようにするのであります。

               広池千九郎WEBSITE格言の間より