父母の心をもって人類を愛す | 格言とその意味

格言とその意味

廣池千九郎先生の格言とその意味をUPしていきます。


 最高道徳実行の最後の仕事は他人の精神を開発もしくは救済するにあるの です。
故に最高道徳を聴き、進んでそれを実行せんとする人は、みな父母の心にならねばならぬのであります。
自分より目下のものに対してはもちろん、目上の ものに対しても、自分がその人々の親の心になって、その人々を愛せねばなりませぬ。
たとい、最高道徳の先輩の人に対しても、自分がその人々の父母たる心を もって、その人を愛せねばならぬのであります。
しかるに従来最高道徳を聴きたる人々の中にはこれを利己的に聴きて、単に自分の名誉もしくは利益の増進に利 用せんことをのみ企つるものが多々ありました。
かかる人は毫(ごう)も慈悲の心なく、これがために他人に対してその愛情なきこと従前と異ならず、父母の情 愛など思いもよらぬことであります。
故に一朝自己の感情もしくは利害に反する場合もしくは外部の悪評等を聞きて自己の利益に害ありと思うときには、たちま ちに豹変して多年大恩を受けたる伝統の先輩に対してもこれを断ち、たちまちその人に背き去ってしまうのであります。
しこうしてその結果は後年に至って自己 の不幸もしくは滅亡となるのであります。

               広池千九郎WEBSITE格言の間より