本日から本年度のNHK大河ドラマ
「鎌倉殿の13人」(番組サイト)が始まります。
おそらくはドラマのクライマックスは後半に放映と思われる主役が演じる北条義時を司令塔とし長男の泰時が幕府軍総大将にして東国の御家人武士団を率いいとも簡単に後鳥羽上皇方の討幕軍を破った世に名高い承久の乱でしょう。
特にこのブログの観点からいえば、泰時が京へ入った後のある戦後処理にあります。
鎌倉幕府の恩恵を受ける有力な御家人の立場にありながら、後鳥羽上皇方の討幕軍に加担したことから重大な背信行為として処刑された者の一人に佐々木広綱がいます。その息子にして仁和寺で稚児として上皇の実子である道助入道親王(戦後処理当時25)に大いに愛されていた勢多伽丸(享年は11歳・14歳の両説あり)への法親王等による助命の願いがいったんは泰時に受け入れながらも叔父の横やりにより生じた悲劇のシーンをドラマで再現するのかどうかを私は注目しています。
追記
上述した勢多伽丸の享年説については私見では承久記等を根拠に14歳です。
勢多加丸の悲劇(2)参照されたしです。
なお承久の乱の登場人物の中でも勢多伽丸は日蓮がその遺文で取り上げられていることでとりわけ多くの人々に知られた存在であることは勢多伽丸の悲劇(3)にて言及しました。日蓮の教学を学ぶ宗教法人としては日本最大の会員数を誇る創価学会をはじめ日蓮系では、真言宗の祈祷に効果がなかったことを敷衍する文言は重要な教主の指針として位置づけられているようです。ただし、多くの方々は勢多伽丸が道助入道親王(法親王)に日夜どのような常随給仕をしていたかどうかは御存じないのではないでしょうか。
加えて母の心情の推移なども含め悲喜こもごものこの場面はまさにドラマにうってつけでしょう。
番組を盛り上げるためにも、また妻帯が許されない当時の寺院での稚児の存在など歴史を敷衍するためにも勢多伽丸の悲劇は取り上げるべきです。
同乱中の知名度からいくと後鳥羽上皇、北条泰時に続く第3位なのかもしれません。特定の宗教を信じる方々に限定すれば第一位の可能性もありりましょう。
追記
同