報道によると埼玉県警はファイル共有ソフトで児童ポルノ映像を提供目的で所持したとして、東京都や栃木県在住の計5人を今月19日、児童買春・児童ポルノ 禁止法違反容疑で逮捕したそうです。具体的には今年8月、トレント系のファイル共有ソフトをそれぞれ使い、10歳前後の日本人女児のポルノ映像のファイル1個をパソコン1台に保存し、提供目的で所持した疑いで所持し5人のうち2人は容疑を認めているとも報じられています。
容疑が事実の場合、たかがファイル一個で逮捕は随分厳しいなとも思いますが、現行法では仕方ないのかもしれません。警察国家の面目躍如というところでしょうか。
ただし、同報道の次の部分が気になります。
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児童ポルノ映像所持容疑提供目的、「トレント系」利用
(略)
県警では今後、児童ポルノを同様に所持したとして、中学1年の男子生徒1人を同様の非行事実で児童相談所に通告するほか、5人を同容疑で書類送検する予定。
こちら (2011年10月20日 読売新聞)
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中1男子生徒にとっては児童相談所での処遇そのものより多感な思春期におけるプライバシーが各方面に暴露されることや官憲のデータに一生残るであろうネガティブ記録のほうが痛手でしょう。実に気の毒な話です。
おそらくは彼はささやかな好奇心から密かに所持していたのでありましょう。誰しもが持ちえる経験です。
はるか昔、パソコンこそありませんでしたが私も同じ年齢の頃そのような写真を友人から密かに手渡しでもらった経験はあります。男子の仲間内でもポルノ写真の授受は一過性のブームでした。私の場合は数日もすれば媒体のつまらなさに気づき自主的に庭で焼いた記憶があります。自ら習得する性教育だったと思います。当該の中1男子生徒を処遇した警察官たちはそのような誰でも持つような経験はないほどの聖人君子の中学生時代を送ったのでしょうか?そうだとすれば純粋培養で育った方々が少年課の仕事をされているということになりますね。それではたして効果的な仕事が可能なのでしょうか?
今回のことで彼は秘密が直接・間接に家庭や学校に暴露され、他愛のない所為のわりには大きなトラウマを背負って生きていかなければならないかもしれないことが心配ですね。今回の災難にくじけることなく生活してもらいたいものです、
私にはこの生徒がやったことがそんなに悪質なこととはどうしても思えません。モデルになった画像被写体がしかるべき抗議を当局に行なっているのかどうかは知る術もありませんが、皮肉を込めて言えば、たとえその場合でも男子中学生の提供目的での所持の責任が問われるのであれば、出演した未成年(当時)にも自己責任が生じているはずです。
警察は中1男子生徒に関しては、将来やプライバシーのことを考慮して始末書で済ますといった発想はできなかったものでしょうか。
ちなみに私は小学生高学年の頃やはり中学生1年の男子生徒に自転車を盗まれたことがありますが、盗んだ中学生は警察署内での始末書提出および厳重注意で済まされそれ以後は完全に更生しております。しかるに今はそのような温かい教育的配慮は微微罪に対してすらできなくなっているのでしょうか。冷たい行政は冷たい人間しか育成できないことをお高くとまった関係機関は知るべきです。
※10月23日付「小4女子児童にここまでするか@福井県警」(社会テーマ)に続く予定です。